バチカン諸宗教対話評議会議長のジャン・ルイ・トーラン枢機卿が帰天

教皇フランシスコは6日、トーラン枢機卿の家族に宛てた弔電の中で「深い信仰を持った枢機卿」の逝去を悲しみ、特に、彼が「イスラーム圏との間に構築した信頼と尊重の関係」を高く評価した。キリストに奉仕するための、普遍(世界)教会への枢機卿の貢献は、「病苦に耐えながら、勇気を持って、最後の最後まで続けられていった」とたたえた。(宮平宏・本紙バチカン支局長)

2009年8月、トーラン枢機卿(右から2人目)は本会を訪れ、渡邊恭位理事長(当時、左手前)と世界宗教者平和会議に本委員会の宮本けいし事務総長(妙智會教団理事長)と懇談

庭野会長が哀悼のメッセージ

バチカン諸宗教対話評議会議長のジャン・ルイ・トーラン枢機卿帰天の報を受け、立正佼成会の庭野日鑛会長が同評議会に宛て、「哀悼のメッセージ」を送った。また、庭野会長、庭野光祥次代会長から生花が贈られた。

庭野会長は2009年6月、「第4回G8諸宗教指導者会議――イタリアG8サミットに向けて」に出席するためにイタリアを訪れた際、バチカンの同評議会を訪問。トーラン枢機卿と約1時間にわたって会見した。同年8月には、トーラン枢機卿が滋賀・大津市にある天台宗総本山・比叡山延暦寺で開催の「比叡山宗教サミット22周年 世界平和祈りの集い」に参加のため初来日した際、本会本部を訪れ、光祥次代会長、渡邊恭位理事長(当時)と懇談した。

哀悼メッセージの中で庭野会長はバチカンでの会見を振り返り、席上、トーラン枢機卿が「諸宗教には多くの共通点があり、平和実現に向けた努力は、諸宗教者の義務である」と力強く話したことを述懐。その上で、自らの後ろ姿で諸宗教対話の大切さを示したトーラン枢機卿の姿を慕い、世界平和を願う人と協力していくことを誓いつつ、「御霊のご冥福を」と哀悼の祈りを捧げている。