東京でカトリックの在家運動体・聖エジディオ共同体がイベント 本会の代表者が講演

イタリア文化会館での聖エジディオ共同体のイベント。10人の講演者がそれぞれの宗教観に基づき提言を行った

『共通の未来を構築するために平和の道を拓こう』をテーマに、聖エジディオ共同体(本部・ローマ)主催のイベントが10月31日、東京・千代田区のイタリア文化会館で開催された。立正佼成会の会員や一般市民ら約400人が参加した。庭野光祥次代会長が出席した。

同共同体は国内外の社会的弱者への奉仕に努めるとともに、諸宗教対話の促進や紛争調停に尽力。この功績により、1999年に「第16回庭野平和賞」を受賞している。

当日は、『宗教間・文化間の対話が共通の未来を構築する』『子どものための平和教育が共通の未来を構築する』『アフリカDREAMプロジェクトの発展が共通の未来を構築する』『非暴力の世界に向けた取り組みが共通の未来を構築する』といった平和や共生に関する4テーマが掲げられた。各テーマに沿って宗教者を中心に、市民活動の代表者ら10人が、死刑制度の廃止や人権教育の重要性、貧困に直面するアフリカの支援などについて発表した。

この中で、本会の篠原祥哲主幹(世界宗教者平和会議=WCRP/RfP=日本委員会平和推進部長)が、『平和のための職人となることが共通の未来を構築する』と題して講演した。本会は昨年11月、同共同体と貧困や搾取に苦しむ人々のために一層の協働を図ることで合意。これを受け、本会は今年、アフリカの貧困問題の解決に取り組むファミリーシッププロジェクト「My TEDORI,My AFRICA チャレンジ!!」を発足した。

篠原氏は、同プロジェクトの一環として、先月末にマラウイを訪れ、同共同体が実施するエイズ患者の健康状態を改善し、HIV(エイズウイルス)の母子感染を予防する「DREAM(Disease Relief through Excellent and Advanced Means)」プログラムを視察した。

講演の中で、篠原氏はプログラムの現状に触れ、妊娠中にHIV感染が発覚し、夫と離婚した女性たちが、治療とアクティビスト(自らもHIV感染者であるが、患者と同じ立場で治療や生活上の悩みなどの相談に乗り、精神的に支えるボランティア)との触れ合いで心身が回復していることを報告。その中から、「エイズで悩み苦しむ人の役に立ちたい」との願いでアクティビストになり、献身的に務める女性たちの姿を紹介した。

その上で、キリスト教の“愛”は、仏教の慈悲であり、アクティビストの姿に、「聖エジディオ共同体の愛の精神を見た」と述懐。同プロジェクトを通じ、同共同体と共に、「アフリカの課題に対し、何ができるのかを真剣に考えていきたい」と語った。

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