本会と聖エジディオ共同体コラボ企画 アフリカの人々と共に生きるプロジェクトスタート

立正佼成会と聖エジディオ共同体(本部・ローマ)によるファミリーシッププロジェクト「My TEDORI,My AFRICA チャレンジ」がこのほど、スタートした。同プロジェクトは本会と同共同体の宗教協力をさらに進め、アフリカの貧困問題の解決に取り組むもの。全ての人々の平和と幸福に向けて行動する意識を養うことも目的に掲げる。8月2日には同プロジェクトを紹介するウェブサイトが公開された。

1986年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼び掛けによりイタリア・アッシジで「世界平和祈願の日」の集いが行われた。聖エジディオ共同体はその精神を引き継ぎ、翌年から毎年、欧州各地で「世界宗教者平和のための祈りの集い」を開催。本会は86年の「世界平和祈願の日」の集い、87年からの「世界宗教者平和のための祈りの集い」に毎年参加している。

今年5月にマラウイを視察し、HIV/エイズプログラム「DREAM」の説明を受ける本会スタッフ

99年、社会的弱者への奉仕活動と諸宗教対話の促進に努める同共同体は、「第16回庭野平和賞」を受賞。その後、同共同体と本会の連携が進み、「アフリカへ毛布をおくる運動」や一食(いちじき)平和基金の事業で協力する。

昨年11月、本会と同共同体は、貧困や搾取に苦しむ人々のために一層の協働を図る「フレンドシップ合意書」に調印。これを受けて今回、同プロジェクトが発足した。

同共同体は、世界最貧国の一つであるマラウイのバラカ県で、出生プログラム「BRAVO!(Birth Registration for All Versus Oblivion)」とHIV/エイズプログラム「DREAM(Disease Relief through Excellent and Advanced Means)」をすでに実施しており、今年5月には本会スタッフが現地を視察した。

BRAVO!プログラムにより出生届を提出したアフリカの親子

マラウイでは、出生登録をしている人は約10%。出生届や公的な証明を持たない子供は、教育や社会保障を受けられず、人身取引や臓器売買の被害を受け、子供兵にさせられる危険性が高まる。一方、HIV陽性者やエイズ患者は約100万人に上り、年間2万7000人が新たに陽性者となっている。彼らには継続的な治療が必要だが、病状が改善すると、途中で服薬をやめてしまう人が少なくない。

本会は、日本でマラウイの現状を伝えていくとともに、さらなる支援活動の展開を計画している。また、現在、同プロジェクトのウェブサイトでは、同国の事情を身近に感じてもらうため、現地の様子や取り組みを紹介。アフリカの課題に対する意識を多くの人と共有し、支援の輪を広げていくことを願い、「My TEDORI宣言」への参加を呼び掛けている。

「My TEDORI,My AFRICA チャレンジ」ウェブサイト https://www.tedori.org/