宗教から考える科学・技術の倫理とは 第8回宗教と環境シンポジウム
立正佼成会中央学術研究所が参画する「宗教・研究者エコイニシアティブ」(RSE、代表=竹村牧男東洋大学学長)主催の第8回宗教と環境シンポジウムが10月29日、東京・文京区の東洋大学白山キャンパスで開かれ、研究者、宗教者、市民など約90人が出席した。テーマは『科学・技術の倫理を宗教から考える』。同運営委員で、中央学術研究所の深田伊佐夫研究員が発表を行った。
シンポジウムでは、竹村氏が『倫理観なき科学・技術の進展を問う』と題し基調講演を行った。
現在、研究者に対する防衛省の助成予算が急増しているが、竹村氏は、軍事力に寄与する科学技術の開発に異を唱え、「科学・技術の開発と追究は、あくまでも未来世代を含めた、人類の福祉への貢献を目的としたものでなければならない」と強調した。さらに、急速に発展する人工知能(AI)やロボットなどに触れ、その使われ方によっては、さまざまな分野で機械化、自動化が進み、人間の主体性や創造性を脅かす危険性があると説明。AIやロボットの開発は、便利さや効率性といった利点が挙げられるが、人間を排除するといった重い問いも投げかけていると述べ、開発や活用については、いのちを重んじる宗教的、倫理的観点からも考えていくべきと訴えた。
この後、深田研究員、阪南大学の村田充八教授、「生長の家」の山岡睦治広報・クロスメディア部長がパネル発表を行った。
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