「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」を前に都内でイベント WCRP/RfP日本委員会が参画するNGO連絡会が主催

国連が定める9月26日の「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」を前に、核兵器の廃絶に向けたイベントが同23日、東京・渋谷区の国連大学2階レセプションホールで開催された。

当日のテーマは『核なき世界に向けて――転換点で考える』。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会が参画する核兵器廃絶NGO連絡会の主催によるもので、132人が参加した。

イベントでは冒頭、同連絡会共同世話人で、ピースボート共同代表の川崎哲氏があいさつ。ニューヨークの国連本部で20日に行われた核兵器禁止条約の署名式典の様子に触れ、署名が50カ国に達し、発効要件の「50カ国の批准」に向け大きく前進したことを報告した。

続く第1部では、NPO法人「ガイア・イニシアティブ」代表の野中ともよ氏が『いのちに勝る正義なし』と題して基調講演に立った。この中で、大量生産・消費、森林の消滅、気候変動などによって、地球環境の維持が困難な状況になりつつあると指摘。経済的利益を優先し、空気や水、土壌、太陽をはじめとした自然エネルギーをないがしろにしてきたことが問題の原因であり、「転換点である今こそ行動する時」と話した。

その上で、一瞬にして全てのいのちを奪い、地球環境を滅ぼす核兵器は許されるものではないと訴え、保有国の力が強く、非保有国が弱い立場に置かれる状況を変えていく必要性を強調。ただし、「対決」「対立」といった姿勢での運動ではなく、「楽しく、おしゃれ」に多くの人に働き掛けていくことが重要と述べ、価値観を「お金の目盛りからいのちの目盛りへ」、意識を「男性的なマインドから女性的なマインドにシフト」と語り掛けた。

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