「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」を前に都内でイベント WCRP/RfP日本委員会が参画するNGO連絡会が主催

核兵器禁止条約採択の背景、そして日本の役割

第2部は、国連広報センターの根本かおる代表がスピーチに立ち、グテレス国連事務総長が核兵器の危険を最重要課題に挙げ、解決に取り組んでいる現状を紹介。次いで、元国連事務次長(軍縮担当)で、内閣府原子力委員会の阿部信泰委員が核兵器をめぐる世界情勢について講演した。

阿部氏は、核兵器保有国が保有数を段階的に減らしていくことが国際社会で合意されてきたが、1999年に米国が包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を拒否して以降、核軍縮が停滞したことを説明。「国際社会で停滞への不満が高まる中で核兵器禁止条約を求める動きが出てきた」と語った。

一方、日本の役割について、「核軍縮の先頭に立つ」「核兵器国と非核兵器国の橋渡し」といった鳩山由紀夫元首相や安倍首相の発言を挙げ、「掛け声だけでなく、実践を示すべき」と強調。また、日本は同条約の採択に参加せず、署名もしていないが、「他国の署名・批准を止めずに理解を示すとともに、現在北朝鮮問題などで署名できないが、条約参加を目指すと表明すべき」と語った。

この後、外務省の川崎方啓軍縮不拡散・科学部審議官、日本原水爆被害者団体協議会の和田征子事務局次長、明治学院大学に通う元ユース非核特使の鈴木慧南氏をパネリストにディスカッションが行われた。コメンテーターをジャーナリストの堀潤氏が務める中、和田氏と鈴木氏は核廃絶に向けたそれぞれの活動を、川崎氏は政府の立場を紹介し、それを基に意見が交わされた。