TKWO――音楽とともにある人生♪ トランペット・本間千也さん Vol.2

中学生、高校生の頃に憧れた佼成ウインドの一員に

――東京佼成ウインドオーケストラに入団したのはいつ頃ですか

2009年です。シエナで12年間活動し、その積み重ねを評価して頂いて、佼成ウインドの先輩から「来てくれないか」と、声を掛けて頂きました。オーディションを経て入団が決まった時は、感激でした。僕が中学生、高校生の頃、音楽室に佼成ウインドのCDがあり、何度も聴いて憧れの存在だったからです。その楽団のメンバーの一員に加われたことは、大変光栄でした。

今、トランペットセクションは僕を含めて4人なのですが、とても仲がいいですね。音楽についてもいろいろ話せますし、演奏会の後などは、毎回のように食事に行きます。その席では、演奏に関する話もしますが、皆、お酒が好きなので、お酒の話や趣味の話などたわいない話題で盛り上がります(笑)。

――今、好きな曲はありますか

佼成ウインドの演奏は、吹奏楽の楽曲がメーンです。これとは別に、たまに、他のジャンルの演奏をしたいなと思い、バロックやルネサンス、シンフォニー(交響曲)や、吹奏楽以外の曲を聴くことがあります。いろいろ幅広く聴くので、好きな曲はその時々で変わります。

ただ、演奏者としては、トランペットの神様と呼ばれるモーリス・アンドレさんに、学生の頃からずっと憧れていました。彼が登場するまで、他の楽器のような目立つ演奏やソロ演奏というのは、トランペットではあり得ないことでした。しかし、ピッコロ・トランペットという小ぶりで、高い音域の出る楽器を得意とする彼が、トランペットをオーケストラで華やぐ楽器の一つにしたのです。

アンドレさんの登場によって、トランペットの活躍の場は大きく広がりました。開拓者である彼に、僕らの世代は憧れを持った人が多いですね。テクニックは別格すぎて、まねしようとは思えませんでしたが。一度ライブで聴くことができた時は、涙が出ました。

プロフィル

ほんま・かずや 1970年、新潟・佐渡市生まれ。東京コンセルヴァトアール尚美(現・尚美ミュージックカレッジ専門学校)ディプロマコースを卒業。シエナ・ウインド・オーケストラでの演奏活動を経て、2009年、東京佼成ウインドオーケストラに入団した。高校生の時、日本トランペット協会主催のトランペットフェスティヴァルオーディションに合格。以後、東京コンセルヴァトアール尚美コンクール第1位、第28回新潟県音楽コンクール県知事賞、第16回日本管打楽器コンクール第3位を受賞した。楽団員としての活動以外にも、ミュージカルや映画、テレビCMの演奏などに携わり、活躍する。