TKWO――音楽とともにある人生♪ ユーフォニアム・岩黒綾乃さん Vol.1

日本トップレベルの吹奏楽団として知られる東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)。演奏会をはじめ、ラジオやテレビ出演など、多方面で活躍する。長年、全日本吹奏楽コンクールの課題曲の参考演奏を行っており、特にコンクールを目指す中学生・高校生の憧れの存在でもある。今回は、ユーフォニアム奏者の岩黒綾乃さん。音楽、そしてユーフォニアムとの出合いについて聞いた。

身近に音楽のある環境の中で

――最初に楽器に触れたのはいつ頃ですか?

母親が自宅で音楽教室を開いていたので、家のどこにいても、ピアノの音色が聞こえてくるような環境で育ちました。発表会の定番曲になっている「エリーゼのために」「花の歌」「乙女の祈り」などは、よく耳に残っています。

私も3~4歳ぐらいから、母にピアノを習いました。自然にそうなったのでしょうね、母親からピアノの練習を勧められた覚えもなく、私が「やりたい!」と言った記憶もなかったのですが、教室に通ってくる生徒さんのレッスンの合間にて弾いていました。

――ユーフォニアムを吹くようになったのは?

小学4年生の時に、友達に誘われて、学校のクラブ活動として行われていた金管バンドに入ったのがきっかけです。クラブでは初めに、生徒が担当する楽器を決めるのですが、それぞれが音楽の先生の前で、さまざまな楽器を一通り吹き、向き不向きを判断されて割り当てられるのです。

例えば、トロンボーンは楽器が大きいので、ある程度の背の高さと、スライド管を前後に動かす腕の長さが必要です。コルネットなら、小さなマウスピースで高い音を出せるかが求められていたのではないでしょうか。私は、ほとんどの楽器をうまくできなかったのですが、先生は私の唇の厚さがユーフォニアムを吹くのに向いていると判断して、担当することになりました。

ですから、ユーフォニアムとの出合いは「自分で選んだ」というより、「与えられた」ものなんです。当時は、いろいろな楽器の音色や特徴も分からず、クラブに入って初めて名前を知ったものもありました。そのぐらいのものでしたが、音楽は好きでしたね。

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