TKWO――音楽とともにある人生♪ クラリネット・原浩介さん Vol.1
憧れの演奏に近づくために、CDを聴き続けた中学時代
――プロになろうと本格的に思ったのは?
高校生の頃ですね。演奏家になりたいという思いは中学生の時から変わらずに持ち続けていました。ちょうど兄が音大(音楽大学)の学生だったので、演奏家になるには、自分も音大に進まなければと考え、高校1年生の時にその準備として、ピアノとクラリネットの個人レッスンに通い始めました。
そして、自分が演奏者として活躍する場は、中学生の頃から佼成ウインドと決めていました。そのために道を歩んでいたと、自信を持って言えます。
佼成ウインドとの出会いは中学生の時。吹奏楽部の顧問の先生が部室で佼成ウインドのCDを聞かせてくれました。佼成ウインドが奏でる音色は鮮やかで、聴いていて、楽しい時は思わず笑ってしまうし、悲しい時は泣きそうになって、自然と気持ちが連動する、そんな力がありました。作曲者が考えただろう曲のイメージが浮かんできて、空気感も伝わってきます。
自分でも佼成ウインドのCDを買って、何度も何度も聴きました。レコードなら擦り切れてしまうほどですね。CDを聴くうちに憧れの存在になっていきました。一緒に吹きたい、入りたいという思いがどんどん湧いてくるんです。
佼成ウインドに入団できたのは、2回目のオーディションを受けた2014年です。昭和音楽大学大学院を卒業し、母校付属のオーケストラに所属していた時でした。その時の募集要項には、B♭管のクラリネット兼コントラバスクラリネット(バスクラリネット含む)を演奏するよう指示されていて、僕には「まさにチャンス」でした。中学校でバスクラリネット、高校でB♭管のクラリネット、さらに大学のサークルでコントラバスクラリネットを吹いていたので、どちらの演奏も経験があったからです。そして、オーディションに合格――中学生の時の夢がかなったのです。
プロフィル
はら・こうすけ 1989年、神奈川・横浜市生まれ。昭和音楽大学大学院修士課程を学長賞を受賞して修了した。S・マカリスター氏作曲のクラリネット協奏曲(フリーバーズ=日本初演)、アーティ・ショウ(クラリネット協奏曲=吹奏楽新校訂版日本初演)を昭和ウインド・シンフォニーと協演、いずれも国内レーベルCAFUAレコードよりCDがリリースされている。2014年にTKWOに入団。TKWOのメンバーで構成された木管五重奏ユニット「東京ELEMENTS」でも活動している。