笑い(ダジャレ)で閉塞感を打ち破る! ビジネスユーモア研究家・川堀泰史氏
経営者にとって「職場のコミュニケーション」は大きな課題です。これを「笑い」で解決しようと、体験に基づく方法を打ち出してきました。
私が考える望ましい職場とは、一言で言えば「朝起きたら行きたくなる職場」です。そうした会社、職場は往々にして、「明るく、楽しい」。一方、朝起きて行きたくない会社、職場とは、「暗くて苦しい」というのが多いようです。パワハラの上司がいたり、悩ましい人間関係があったり、暗い雰囲気だったりと、職場のコミュニケーションに課題があるわけです。そこには「笑い」がないから、楽しさがないのだと思います。
「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」。これは、アメリカの心理学者であるウィリアム・ジェームズの言葉です。つまり、笑いがあると、心が開けて、互いの壁がなくなり、楽しくなります。
仏教では、「無財の七施」の一つに「和顔施(わがんせ)」が挙げられています。人の役に立つ布施であり、仏教徒にとって大事な行動規範です。
笑いの効能は「あいうえお」で表現できます。まずは「明るさ、安心感」。次に、「萎縮しない」という効能があります。笑いは緊張をほぐしてくれるんですね。また、笑いがあると人が寄ってきますから、「運」も寄ってきて運気が上がります。さらに笑顔は伝播(でんぱ)していくので、「縁が広がる」。笑いによっておおらかな気持ちにもなりますから、「温和」でいられるのです。
私は、「一日一ダジャレ」をモットーにしています。そのダジャレの多くは、自分の失敗談が基になっています。自分の失敗を心の中でうまく消化していくと成長につながり、笑いにもできるわけです。
ダジャレは一瞬で、閉塞感(へいそくかん)を打ち破ることができます。場面を新たに展開できる威力があります。ダジャレを発することで心が開いて前向きになり、声かけの交流が進みます。これによって相手との深いコミュニケーションが図れます。そして、ここがポイントなのですが、人をダジャレなどで笑わせることは、周りを思いやるリーダー的な存在の育成になります。自分の持ち味を出して周りを明るくする力や、人と笑って話せる力を身につけていくと、商談力も磨かれるのです。
私が閉塞感を破ったダジャレの一つを紹介します。私の名前は「かわほりやすし」ですが、そこから「ほ」を取ると、「かわりやすし」ですね。実際、私はいろいろな部署で働きましたから、営業を担当していた時、お客さまへのあいさつの中で、「実は私、よく職場を変わるんです。名前から来ているんですよ。『ほ』を抜くと、『変わり易し』なんです」などと自己紹介していました。