カンボジアの農村を支えて JVCカンボジア代表・大村真理子氏

講演では、写真を使って現地の様子や支援活動が紹介された

今年7月に行われた、下院議会の総選挙で、フン・セン首相率いる与党のカンボジア人民党が全125議席を獲得しました。これにより、人民党は歴史的な大勝利を収めます。上院の議会でも同党が全議席を占めており、ほぼ一党独裁の状態になりました。

国内での発言しにくい政治状況に対し、欧米からは、「カンボジアの民主化が一気に後退する」との批判が強まっています。こうした国際情勢に配慮したのでしょう。現地当局は、国家転覆を企てたとして昨年逮捕していた旧最大野党、カンボジア救国党のケム・ソカ元党首を、9月10日に保釈しました。

何よりも現地の人々にとって、経済的にも精神的にも安心して暮らせる社会が続くことを願うばかりです。

(10月12日、立正佼成会のセレニティホールで、JVCの大村真理子カンボジア駐在員が行った、本会一食=いちじき=平和基金とJVCによるカンボジアでの「東南アジアにおける農村再生プロジェクト」事業報告から)

プロフィル

おおむら・まりこ 1984年、神奈川県生まれ。認定NPO法人「日本国際ボランティアセンター」(JVC)カンボジア駐在員・現地代表。飢餓や紛争に関する報道を通してNGOへの関心が強まり、2014年からJVC職員として収益事業を担当。15年3月に広報担当に異動し、17年12月からカンボジア事業に異動、現地駐在。