TKWO――音楽とともにある人生♪ クラリネット・林裕子さん Vol.3

ファンの方の思いに応える演奏をこれまで以上に

――吹奏楽に励む中学生、高校生にアドバイスを

クラリネットには、指使いやタンギング(舌を使った奏法)の速さが求められる曲があり、テクニックが必要です。しかし、速さを意識するあまり、スピードについていこうとして、音が雑になってしまう演奏を見かけることがあります。そうした演奏の仕方は勧められません。演奏は何より音色と正しい奏法が重要で、速さを競うものではないからです。指や舌の使い方、テクニックを習得するには、地道な練習が欠かせません。丁寧に演奏することを大事にして練習に励んでください。

――佼成ウインドのファンに一言

最近、ファンの皆さんの思いを強く感じることがありました。今、趣味でバレエ団が運営している教室に通っているのですが、よく教えて頂いていた先生が突然、退団していたのです。バレエダンサーとして活躍されていた方で、私はダンサーとしての先生のファンでもあったので、とてもショックを受けました。

後日、偶然、近所のコンビニでその先生と会いました。再会できたことがうれしく、この時、佼成ウインドを応援してくださるファンの方の気持ちも同じなのではないか、と感じました。ファンの方々は、私たちが思っている以上に楽団員を見てくださっていて、好意で応援してくださっているのだと。本当に感謝しなければなりませんし、それに応えるより良い演奏を心がけたいと改めて思いました。

音楽には、暗い雰囲気を漂わす曲もあれば、明るく楽しい曲もあります。私たちはどれを奏でていても、皆さんの心に響くようにと願い、演奏に臨んでいます。会場でお会いできるとうれしいですし、街で見かけて声を掛けてくださるのも、有り難いです。喜んで頂ける音楽を全員で奏でていきますので、これからもよろしくお願いします。

プロフィル

はやし・ゆうこ 1977年、香川・高松市生まれ。国立音楽大学を卒業後、フランスに3年間留学し、オルネイ地方音楽院、ラヴェル音楽院を卒業。留学中、ベラン音楽コンクール1等賞、ピカルディー音楽コンクール1等賞を受賞した。現在、TKWOでB♭クラリネットのセクションリーダーを務める。