立正佼成会 庭野日鑛会長 10月の法話から

10月に大聖堂で行われた大聖堂での式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。(文責在編集部)

怖いのは人間の心

人間は矛盾を抱えて生きていると言うことができます。原子爆弾を悪用すれば人間も滅びる、地球も破壊されてしまいます。ですから、それを止めるのは人間の心しかなく、本当の原因は人間にあったと言えます。

私たちが仏教という宗教を信じて修行させて頂くのは、人間の心を制御していくためだと教えられています。そのために、明るい、優しい、温かい心を持って、人さまに仏さまの教えを伝えていこう、というのであります。

仏さまの教えは特別なものではありません。大自然の真理を教えたものです。その真理を理解し、一番怖いのは人間なのだと分かることが大切です。人間の心を制御するために、私たちは今、仏教を学んで修行していますが、たとえ仏教を信じていなくとも、そういう心を持った人たちは尊いのです。

8月にドイツで行われた世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の第10回世界大会で、新たに就任された事務総長さんもそのように発言されています。信じない自由もあり、そうした人たちを差別してはいけないと。

自分たちが信じている教えは絶対だから、それを信じていない人に対して、「その人の心が分からない」といったことを、つい言いがちですが、信じない自由もあります。宗教は本来、自由であり、個人個人が自覚して、教えを頂くことが大事です。信じていない人を差別するようなことがあってはなりません。
(10月4日)

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