立正佼成会 庭野日鑛会長 2月の法話から

自ら心を切り替える

私たちは日頃、感謝を忘れて、不平不満とか、愚痴とか、泣き言、悪口、文句とかをついつい言いたくなります。こういうことを言っていると、その通りに不平不満のことや、愚痴をこぼしたくなることが次々と起こってきます。また、人の悪口や文句が芽生えてもきます。

「蒔(ま)かぬ種は生えぬ」といわれます。こういう生えてもらいたくない種は蒔かないようにして、感謝をすることが大切です。そうすれば、蒔かないことと同じになります。不平不満や愚痴、泣き言、悪口、文句を言わないで感謝していくことが一番簡単でいいのです。

私たちは生まれてこのかた、不平不満を言ってきましたから、つい出てきます。そのことに気づいたら感謝に切り替えていく――これを常に心がけなければ、またしても種が生えてきてしまいます。
(2月4日)

限りあるいのち同士

私たちは生かされて生きています。そして、いつまでも生きていられるわけではありません。

私もこの世に生まれてきて、生後5、6カ月ぐらいの夏の時期に最初の写真を撮影されたのですが、今や、教団と同じく80歳になろうとしています。生きている間は、年齢が増え、年を取っていき、そして最期がある――生かされて生き、限りあるいのちである、このことに目覚めることが宗教の大事な教えであります。

そして、自分が限りあるいのちなのだと分かってくると、周りの生きとし生けるものへの愛情や感謝といった気持ちが起こさしめられます。人間は皆、人情や人間性を持っていますから、そうした心が起こさしめられるのです。
(2月15日)