立正佼成会 庭野日鑛会長 2月の法話から

画・茨木 祥之

自然に合わせて

大都会で暮らしていると、自然を忘れがちになります。人間は、お日様が昇ってきて、すぐに動き出すと、体が活性化するそうです。朝の時間は、お日様に特別な光があって、殺菌力があるといいます。朝早く起きて、お日様を仰ぐような生活をしていると、虹に見られる七色の光の影響などを受けて、とても元気になるとも言われています。

日が出たら働いて、日が沈んだら休んで、水が欲しい時には井戸を掘って、田を耕して食べる。もちろん大半の人は、そんな生活ができません。自分で井戸を掘るわけではありませんし、田を耕すわけでもありません。ただ人間は、大昔から自然の中で生活していますから、お日様の昇る時間、沈む時間に合わせるのが、どうも健康には一番よろしいようであります。そういう自然の生活を忘れないでいくことも、とても大事です。
(2月1日)

「いのち」に対する自覚

宗教というのは、一番人間のもとになる教えです。宗教の「宗」という字は、「宗家(そうけ)」などと使われるように「宗(もと)」という意味があります。私たちは平素、自分を生かしてくださる大自然の中にいるわけですから、その恵みのおかげさまで、私たちは生きている、生きているというよりは、生かされている――そうしたことに気づきなさいというのが、宗教の一番のもとの教えです。

気づくとは、自覚すること。仏教、すなわち仏さまの教えは、私たち一人ひとりが、そうした自覚を持って生きていく大切さを教えています。そうした宗教を、実生活の中で活かしていくことが、幸せに結びついていくのです。
(2月1日)

健康に生きる三原則

私たちが健康に生きていく上で、三つの原則があると教えて頂いています。

一つは、「心中(しんちゅう)常に喜神(きしん)を含(ふく)む」。常に喜ぶ心を持つことです。これは、人のためになっているということがあって初めて、私たちは喜びの心を持つことができるのだと思います。ただ単に喜心を持つという単純なものではなく、常に人のために何かをすることが、常に心の中に喜びを持てることにもなるわけです。

二つ目が、絶えず感謝の心を持つこと。人間が生きていく上で、この感謝が、一番大事な心であり、人間として幸せな人生を歩むことができると教えて頂いています。

そして、三番目が、常に陰徳(いんとく)を積むこと。陰徳ですから、人に見られていなくても、陰(かげ)ながら善(よ)いことをしていくことです。

大変な世の中ではありますが、こういうことを繰り返し繰り返し実践していくことが、健康に人生を過ごす原則になります。私たちが、常にそうした真理とか、真実とか、原則といったものをしっかりと理解し、実践していくことが、健康で人生を全うする力になっていくのです。
(2月1日)

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