利害を超えて現代と向き合う――宗教の役割(58) 文・小林正弥(千葉大学大学院教授)

子供をどのように育てますか?

年の瀬が迫ってきた。思えば今年の新年には今後の明暗双方について書いた(第47回)が、その後はほとんど「コロナ禍」という暗面に焦点を合わせざるをえなかった。現在、オミクロン株が世界中の懸念事項になっており、自国への流入・拡大防止策が焦眉の急だが、日本のコロナ感染状況自体は小康状態にある。

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「世界の軍事費の均衡ある削減を」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

世界の軍事費の均衡ある削減を

ローマ教皇フランシスコは12月12日、バチカン広場で行われた正午の祈りの席上、ロシアが国境地帯に軍を集結させて急速に緊張の高まっているウクライナ情勢に言及し、「ウクライナとその周辺での緊張が、武器ではなく、国際的な交渉によって解決されるように願う」と訴えた。さらに、「武器の生産が昨年よりも増加という最近の統計を読み、苦痛を感じている」と述べ、「武器は、(平和への)道ではない」と唱えて現状を非難した。

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幸せをむすぶ「こども食堂」(12)最終回  文・湯浅誠(認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長)

コロナ禍で見つけた大切なこと

2021年も残りわずかとなりました。

去年は未知のウイルスに見舞われる中、初の全国一斉休校、初の緊急事態宣言と、初めてづくしの一年でした。

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バチカンから見た世界(117) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

後退する民主主義に教皇が警鐘

キプロス島訪問を終えたローマ教皇フランシスコは12月4日にギリシャの首都アテネに到着した。大統領府でカテリナ・サケラロプル大統領、キリアコス・ミツォタキス首相と懇談した後、政府関係者、市民社会の代表者、外交団らと面会した席上、スピーチを行った。

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