絵画でめぐる四季 ~山口暁子の世界~ 1月
『星を目指す白鳥の話』
「ぼくはいつでも自分をどこか、或(あ)る目的地へゆく旅人であるように思う」
——ゴッホの手紙より
白鳥は寒い場所に生息する渡り鳥です。日本には越冬のために飛来し、大きな体でその飛距離は2,000から3,000kmと言われています。シベリアよりは暖かくとも、北海道や新潟の冬の寒さもかなりのもの。厳しい環境に身を置き生涯旅を続ける白鳥に、表現者のあるべき姿を重ねました。
※手紙引用『ファン・ゴッホ書簡全集5』みすず書房
プロフィル
やまぐち・あきこ 1974年、東京都生まれ。97年、東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業。卒業制作でサロン・ド・プランタン賞受賞。99年、同大学院美術研究科絵画科日本画専攻修了。修了制作で紫峰賞受賞。絹に描くという現代の日本画では希少な技法を使って制作を続けている。