学ぶ人も説く人も共に成長する研修

立正佼成会大田教会では昨年から月に一度、『身近に学ぶ法華三部経』をテーマに勉強会を行っている。元大田教会長の平野京子講師によるテンポの良い明解な講話を楽しみに、毎回、80人を超える会員が法座席を埋める。顔ぶれは20代から90代までと幅広い。

今年の6月20日に行われた勉強会では、『法華三部経』の「薬王菩薩本事品」「妙音菩薩品」「観世音菩薩普門品」「妙荘厳王本事品」の、それぞれ異なる菩薩が主人公となる四品の解説が行われた。菩薩が人々を救う姿を通して、実践の姿勢を学ぶのが目的だ。

当日は、平野講師による概要の解説後、勉強会の運営スタッフ4人が各品の研修をするという一風変わった趣向で行われた。「あなたたちが菩薩の自覚をもって、菩薩行の実践を説いてほしい」という、平野講師の願いによるものだ。

平野講師の解説後、参加者らは4人一組のグループを作り、それぞれ担当の菩薩を選択。各品の解説スペースへ向かった。「人に説明しなきゃいけないので、すごく真剣に聞きました」と参加者の女性(74)が語るとおり、皆、スタッフが準備したパネルなどを食い入るように見つめ、メモを取った。

解説を担当したスタッフは、各々(おのおの)自身に関わりが深いと感じる菩薩の経を担当した。例えば、薬王菩薩本事品を担当したスタッフ(55)は、20歳の頃、危篤に陥った父のために毎日この経を読誦(どくじゅ)していたことがある。当時は意味もよく分からず功徳だけを求めていたが、後に身命を惜しまない姿勢の尊さや報恩感謝の大切さを説くこの経を学んだ。今回の研修担当の声がかかった4月頃、末期がんで病床に伏していた知人のために毎日この経を読誦していた。髙澤さんは迷わず薬王菩薩の担当を選んだ。「この経を心に刻み、身を惜しまずにお役を果たすことで、心も体もつらい状態の先輩に功徳を回向したい、という思いでした。残念ながらその方は亡くなりましたが、頂いたお戒名がその人柄にぴったりで感動しました。そんな思いもお伝えすると、皆さんが真剣に話を聞いてくださって、とてもありがたかったです」。

「教える側に思い入れがあるから、語りに熱が入る。いい研修になりました」と語る齋藤高市教会長の思いで、その後、参加者が全ての品の解説を聞けるような機会を改めて設けた。

観世音菩薩普門品を解説したスタッフ(52)は、「観音さまは菩薩界ではレジェンド的存在。でも、菩薩さまそれぞれに違う魅力があるので、この研修で自分の推し菩薩さまを見つけて、精進の目標にしてもらえれば」と語った。

9月に、勉強会は最終回を迎えたが、次年度に向け、教務部では新たに仏教を学ぶ研修を企画中だ。教えを探求する情熱は、まだまだ衰えの兆しを見せない。

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