熊本地震から10年 慰霊法要に光祥次代会長が出席(動画あり)

慰霊法要に出席した光祥次代会長。震災後、被災した教会を訪問した時の思いなどを語った
2016年4月14日、二日後の16日の二度にわたって発生した巨大地震は、震源となった熊本県益城町を中心に県内の広範囲を大きく揺らした。人々の生活は一変。同地域を包括する立正佼成会熊本教会の会員も大勢が被災し、教会道場には一時、200人以上の近隣住民らが避難した。教会幹部らは、法座席で寝泊まりする避難者への炊き出しや、各避難所に身を寄せる会員への安否確認などに駆け回った。
10年の節目となった今年4月16日、熊本教会で庭野光祥次代会長を招いて慰霊法要が行われた。教会道場には天草や阿蘇といった地域道場の会員も駆け付け、430人が参集。コロナ禍が明けて久しぶりに参拝した会員も多く、再会を喜ぶ笑顔や近況を報告し合う声で溢(あふ)れた。

読経供養では震災で直接亡くなられた会員の戒名を読み上げた
法要では、渡部江身子教会長を導師に読経供養を厳修。法座席で「教師」資格者が震災直接死50体の戒名を読み上げた。続く体験説法では、青年男子部スタッフ(21)、支部長(67)が震災から今日までの歩みを発表。この中で青年男子部スタッフは、人との縁の中で感謝や尊敬を学び、成長できたことを報告し、自分より若い世代にも安心してもらえる仲間や居場所づくりをしていきたいと誓願した。
続いて登壇した光祥次代会長は、冒頭、震災当時を振り返りながら、起きた出来事をどう感じるかが人生に大きく影響すると伝えた。その上で、人間に感じる心があるのは「言葉」を獲得したことと関係していると明示。言葉を使うことにより「記憶」が生まれ、過去に対する後悔や未来への不安を感じるようになったと解説した。
そうした「心の副作用」と向き合ったのが宗教で、仏教では「愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)」などと教えているが、これらは「時間」を認識したからこその苦しみ、つまりは「諸行無常」がゆえの苦であると説明した。一方で、時間の認識は未来を切り拓(ひら)き、変える力にもなると強調。自分の経験や価値観、考え方の癖、行動パターンといった自身の〝性質〟を理解し、人との縁や出来事を「ふさわしく見聞きし、ふさわしく受け取る」、そして、現実に向き合い行動できる自分になるための稽古をするのが佼成会だと伝えた。
また、行動を通して心を調(ととの)える大切さに言及。教会の役もどんな修行も「やれば救われる」のではなく、それを通して自身の心を調え、思い通りにならない人生を軽やかに生きる自分になっていくためのものと語った。
法座席の前方で目を輝かせながら耳を傾けていた会員(69)は、「無理のない無理という言葉が印象的で、思い通りにならないことが自分の力になることを教えて頂きました。震災だけでなく人生にはさまざまな苦労がありますが、元気に笑顔で乗り越えていきたいです」と喜びをかみしめた。






