弘前教会「春季彼岸会」から 青森県つがる市「西の高野山弘法寺」副住職 白戸旦実師が講演 「身口意」の一致を心がけ 自己実現を目指す

3月15日、立正佼成会弘前教会の春季彼岸会が教会道場で開催されました。式典の中で、青森県つがる市「西の高野山弘法寺」副住職・白戸旦実師が、「身口意」の一致を心がける大切さについて講演を行いました。要旨を紹介します。
◆ ◇ ◆
真言密教の「三密」は、行動・言葉・心の「身口意(しんくい)」を仏さまと一致させることだと教えられています。
例を挙げると、護摩を焚(た)く修行では、自分が仏さまと一体になる「入我我入(にゅうががにゅう)」を目指しながら、あまねく人々の願いがかなうように祈ります。この時、「身」の行動として、袖の下で手指を動かして、仏さまの姿や力を表すさまざまな印を結びます。また、佼成会の皆さんがお題目を唱えるように、私たちも真言を唱えます。これが「口」です。「意」にあたるのは、仏さまと同じ心持ちで護摩に向き合うこと。人々をお助けしたい、願いを聞いて何とかかなえたいという心とも言えます。
実際に修行してみて感じるのは、仮面ライダーと似ているということです。仮面ライダーではごく普通の若者が、敵に襲われて困っている人を見て救いたいという心が湧き、かけ声と共にポーズをとって変身し、すごい力で敵を倒していきますよね。このように、唯一無二の存在である私たち自身も、仮面ライダーのように誰かの助けになりたいと思い、口に出して、その通りに行動し、身口意を一致させていくことで、その人にしか出せない力を発揮することができるようになるのです。それは、自己肯定感が高まることにもなります。
人を助けるというと壮大な話のように感じるかもしれませんが、日常生活の中から自分の身口意を一致させていくのも同じです。例えば、痩せたいと思った時、身近な人に「ダイエットする」と宣言した上で、運動したり食べ物を節制したりします。そうすることで、身口意がそろって願いが成就していきます。そうやって行動・言葉・心を日頃から合わせていくことが大切で、その積み重ねによって仏さまと同じ心になれるのです。
よりよい人生を歩めるようにと誰かのために祈るのは、とても素晴らしく美しいことです。一人ひとりが仏さまと同じ心持ちで生きていけば、自分も相手も唯一無二の存在だと感じられます。さらに、その人たちと出会えた奇跡をかみしめていくと、本当に豊かな毎日を過ごせるのです。
