庭野会長 「朔日参り(布薩の日)」式典で法話 仏の教えを通して学び、繰り返し実践を
10月1日、立正佼成会の「朔日(ついたち)参り(布薩=ふさつ=の日)」式典が東京・杉並区の大聖堂で行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の様子は全国の会員にオンライン配信された。
当日は、庭野光祥次代会長が読経供養の導師をつとめた後、「お言葉」に立った。光祥次代会長は、先月開催された「『戦争を超え、和解へ』諸宗教平和円卓会議」(既報)に言及。「ウクライナ緊急募金」の浄財と会員の真心が「希望の波紋」となって会議が実現したことに謝意を表した。紛争当事国の宗教者が和解の活動や宗教の役割について話し合い、声明文を皆で読み上げられたと報告し、「今後も会議の歩みを見守り、念じてくださいますようお願い申し上げます」と述べた。
その後、体験説法に立った船橋教会の支部長(53)は、学生の頃、生活費を渡さずに母親を困らせる父親を煩わしく思っていたが、父親を自分を高める仏と思う母親の姿から、徐々に父親への見方を変えた体験を述懐。結婚後に主任などの役を担う中、自身が両親を結びつけるために生まれてきたと悟り、求道するきっかけとなった父親に感謝するとともに、皆が現世での役割を持って生きていると深く感じた喜びを語った。
コロナ禍の今、支部長として困難を抱える会員に寄り添い、菩薩行による幸せをかみしめ合うサンガ(教えの仲間)づくりに励んでいると発表。家庭や教会で即是道場(そくぜどうじょう)の精神を忘れず、相手の幸せを念じて精進していくと誓った。
法話に立った庭野会長は、人間の健康寿命に言及。単純な計算や読経供養などの音読を繰り返して脳の活性化を保てるよう、「お年寄りもなるべく、そうできるような環境においてさしあげる」ことが大切と述べた。
また、声が小さく言葉もはっきりしない若者たちが増えているとの内容が記された新聞記事を紹介。言葉をはっきり発声することで人との会話が成り立って心も通い合い、互いに健康になれると説いた。
さらに、「縁起の法」に触れながら、一人ひとりが宇宙全体の無数無限の縁起の中で生かされ、仏の教えに結縁(けちえん)されていることに感謝する大切さを教示。日常で生じる苦について教えを基にどう受けとめ、解決していくか、これを繰り返し実践することで人は救われていくとし、「私たちはそうした人間としての大切なことをお互いさまに、日頃よく学び合い、向上するために精進をしてまいりたいと思います」と述べた。