パキスタンの大雨洪水被災者に緊急支援 本会一食平和基金が300万円拠出

大雨災害に見舞われたパキスタンで、洪水による被害を免れた家畜たち(写真はともにJEN提供)

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会はこのほど、大雨による大規模洪水に見舞われたパキスタンの被害に対し、300万円の緊急支援を決定した。

同国では、季節風による雨季(モンスーン)に入った6月以降、各地で史上最悪といわれる規模の大雨が降り続いた。これにより、インダス川中・下流域のシンド州北中部やパンジャブ州南部を中心に、同国西部のバロチスタン州まで広範囲にわたる洪水被害が広がっている。

同国政府によると、これまでに国土の3分の1が冠水し、被災者は3300万人に上るという。死者は1200人を超え、その3分の1が子供であると発表された。家屋や農地、家畜への被害も大きく、日々の暮らしへの影響が長期化すると予測され、また、道路の寸断や橋の崩落も各地で発生しており、人の移動や物流にも多大な影響を及ぼしている。こうした事態を受けて同国では国家非常事態宣言が発令され、軍が出動して被災者の救出や災害物資の配給にあたっている。

現地で救援にあたる認定NPO法人ジェン(JEN)の報告では、被災者の多くは少数の家畜を育てる小規模農家であり、牛などの大型家畜が貴重な財産であることから、被災を免れた家畜は政府が用意した家畜用キャンプに避難させているが、飼料が著しく不足している。被災者の食料については国連機関をはじめとする各団体からの支援が見込まれるため、援助の手が届いていない家畜への飼料配布が急務であるという。

こうした状況を受け、同運営委は「一食を捧げる運動」の浄財からJENを通じて300万円を緊急拠出。約2000世帯の家族の生命を支え、生業(なりわい)を回復させることを目的に、家畜を保有する小規模の農家を対象とする飼料配布を継続して実施する予定だ。

本会パートナー団体のJENでは発災以降、家畜を保有する小規模農家への飼料配布を継続しながら、生活の持続的な回復に努めてきた