ウクライナ情勢に対する青年たちの思い 3月10日のオンラインによる集いから

篠原事務局長は、青年部員に向けて、庭野開祖の法話を基に、平和を実現するための心構えを語った(「Zoom」の画面)

ウクライナ情勢の平和的解決を祈願し、世界平和の実現に向けた宗教者や信仰者の役割を考える全国青年部員のオンラインによる集いが3月10日夜に行われた。立正佼成会青年ネットワークグループがSNSなどを通じて呼びかけたもので、日本、イタリア、ブラジルから約120人が参加した。当日の様子と、平和を願う参加者の声を紹介する。

WCRP日本委の篠原事務局長 庭野開祖の平和観を説明

集いでは冒頭、参加した青年部員たちが、ウェブ会議システム上のチャット(書き込み機能)を利用して、それぞれの思いを発表する時間が設けられた。ウクライナ情勢に対しては、「今、自分には何ができるのか。もがいています」「ニュースを見るたびに心が苦しい」「平和のために全国の青年で祈りを捧げたい」といった切実な声が多く寄せられ、一人ひとりが集いの意義を確認し、思いを分かち合った。

続いて、本部外務部(当時)勤務を経て現在、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会事務局長を務める篠原祥哲氏が『宗教者の私だから出来ること~宗教者の果たす役割~』と題して講話。庭野日敬開祖の法話をまとめた書籍『平和への私の提唱』を基に、平和の実現に取り組む信仰者の心構えについて自らの考えを披歴した。

篠原氏は、ロシア軍の攻撃で多くの犠牲者が出ている状況に対して、ロシアの為政者への憤りや怒りを吐露する参加者の意見が少なくなかったことに触れ、「そうした心の動きは、自然なこと」と理解を示した上で、「だれかれかまわず暴力をふるい周囲の人から恐れられている人たちも、同じ仏さまの子なのだと信じて語りかけていく」との庭野開祖の法話を紹介。「誰に対しても分け隔てなく、仏性礼拝(らいはい)に徹する姿勢が宗教者に求められている」と語り、武力で対抗したくなる気持ちを抑え、どのような時も懸命に、常不軽の精神で平和的解決に尽くす必要性を示した。

また、「平和をつくり出す献身と奉仕によって、私たち自身が平和な心を得ることができます。その平和な心に、平和な心がひきよせられてつどうのです」との庭野開祖の法話を引用。世界を平和にしていくには、一人ひとりが平和の心を育むことが重要と述べた。さらに、法華経の「四法成就」の教えを基に庭野開祖が示した「平和を成就するための四段階の実行」について紹介。全ての人が仏の子であるとの自覚を深め、家庭や職場、学校、地域などそれぞれの場で菩薩行に努めることが、自身のみならず多くの人に平和の心を育み、そうした情熱が源になって平和な社会や世界を築くことができると述べた。

この後、参加者は班に分かれ、『私の心を突き動かしたもの』をテーマに語り合い、講話を通じての気づきや、平和の実現に向けた身の回りの実践、信仰者による祈りの重要性などについて発表した。最後に、参加者全員でウクライナ情勢の平和的解決を祈り、黙とうを捧げた。

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