六花の会 第4回仏教経営者塾をオンライン開催 皆が恩恵受ける「至福の経営」志し

講演に立った秀島教区長は、経営者が組織のリーダーとして高い理想を掲げる重要性を強調した

仏教精神を生かした経営を目指す立正佼成会会員有志のネットワーク「六花(りっか)の会」が10月23日、第4回の仏教経営者塾をオンラインで開催した。全国の経営者、個人事業主の会員87人が参加した。

当日は、本部秘書課長(当時)を務めた秀島康郎中部教区長(名古屋教会長)が『開祖さま、会長先生、長沼元理事長さんから学ぶ経営者の姿勢』をテーマに講演した。

秀島教区長は、六花の会が編纂(へんさん)した書籍『庭野日敬 経営者心得帖』から、「自分のためばかりを目的として働くのと、世の中全体のためという精神を基底として働くのとでは、その過程においても、結果においても、雲泥の差が生ずる」との一節を引用。経営者は自らの利益だけでなく、より「次元の高い望み」を抱いて事業にあたることが重要と強調した。

また、本会の会員が経営するレストランチェーンに「ドリンクバー」を導入したところ、顧客満足度が上がり、従業員の負担も軽減されたことから、自社の損得にとらわれず、他社にもこのサービスの導入を勧めたエピソードを紹介。その経営者が、他社の経営者と共に「安価で質の高い料理を万人に」という願いを達成することが庭野日敬開祖の教えであると話したことも報告した。その上で、全ての人が恩恵を受ける「至福の経営」という法華経の精神に根差した志を持つことで、自社の事業を通じた社会貢献や業界全体の成長といった目標が明確になると語った。

さらに、「リーダーは、組織のメンバーの気持ちを高揚させようと思うあまり、自分の思いを押し付けてしまいがち」と指摘。長沼基之元理事長は地方出張の際、会員に対していつも「日頃のご努力に感謝申し上げます」と語りかけていたことや、庭野開祖、庭野日鑛会長が神社仏閣を参拝した時には、自分の願いではなく、日頃の感謝を神仏に伝えていたことを紹介し、「リーダーとして大切なのは、日々感じている感謝と御礼を素直に伝える真摯(しんし)な姿勢だと教わりました」と述べた。