佼成学園高アメフト部が「クリスマスボウル」優勝 残り2秒で栄冠つかむ
「第51回全国高等学校アメリカンフットボール選手権大会」決勝戦(クリスマスボウル)が昨年12月26日、兵庫・神戸市の王子スタジアムで行われ、佼成学園高校「ロータス」(関東代表)が、関西学院高等部「ファイターズ」(関西代表)を19対13で下し、2年ぶり4回目の優勝を飾った。
昨秋の関東地区大会を勝ち抜き、5年連続でクリスマスボウルに出場した佼成学園。この舞台で関西学院と対戦するのは、初優勝を飾った2016年以来となった。
第1クオーター序盤、ディフェンスの足並みがそろわず、関西学院に6点の先制を許した。第2クオーターは攻守ともに安定したチームプレーを発揮。岩井零選手(2年、RB)がパスを受けて走り、タッチダウンを決めると、次の攻撃でも岩井選手が巧みなランプレーを見せ、再びタッチダウンを奪った。前半を13対6で折り返した。
第3クオーターからは一進一退の攻防が続いた。試合が動いたのは第4クオーター中盤。守備の隙を突かれ、相手のタッチダウンが決まり、13対13の同点に追いつかれた。佼成学園は、試合のペースを取り戻すべく粘り強く攻め続けたが、同点のまま、試合時間は残り2秒となった。
両校優勝のムードも漂う中、攻撃側の佼成学園は最後の賭けに出た。近田力選手(3年、QB)が、敵陣エンドゾーンの右側を目がけて44ヤードの長いパスを放つ。そこへ一気に駆けつけた北川大智選手(3年、TE)が、相手選手と同時にキャッチ。判定の結果、佼成学園のタッチダウンとなり、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
試合後、金子湧(ゆう)主将(3年、LB)は、「なかなか流れをつかめず、難しさを感じましたが、攻守のメンバー全員が互いを信じて戦いました。昨年のクリスマスボウルで負けてから、初心に返って練習を続けたことで、自分たちのプレーをやり切れたと思います」と振り返った。
優勝を決めるパスをキャッチし、タッチダウンを奪った北川選手は、「最後に同点となった場合に備えて、前日にも同じプレーを練習していました。『自分が絶対に決める』という思いがあったので、本当にうれしいです」と笑顔を見せた。
小林孝至監督は、「この一年は新型コロナウイルスの影響で、練習時間も例年の半分以下になりました。こうした中でもクリスマスボウルを行って頂き、尊敬する関西学院の皆さんと対戦できたことは幸せです。大会の全ての関係者に感謝しています。自分たちらしくフットボールを楽しむことを大事にしながら、今後も日本一を目指します」と語った。
大会の最優秀ラインマン賞の安藤杯に近藤剣之介選手(3年、OL)が、最優秀バックス賞の三隅杯に岩井選手が選ばれた。
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