「全ての人の幸せ」目指し、互いに精進を 日蓮宗管長・菅野日彰師
私は12歳で出家し、その後に故郷の北海道から東京に出てまいりました。そして、池上本門寺の第八十世貫首・金子日威猊下(げいか)にお仕えを致しました。その仏縁で、庭野日敬開祖さまにも数回ですが、お目にかからせて頂いたことがございます。お話をするような機会はありませんでしたが、お姿を通して人を導く大きな力と申しましょうか、その教化力にいたく感動しましたことを、今でも忘れることができません。
立正佼成会の皆さまの活動を拝見しておりますと、庭野日鑛会長先生を中心に、各教会、各支部が一体となって布教伝道に邁進(まいしん)しておられます。そして、信徒の一人ひとりが、それぞれの立場で教えを日常生活に生かしておられる。そのことに、同じお題目を唱えさせて頂く者として、また一人の仏教徒、宗教者として、敬意を表させて頂く次第でございます。
お題目の原点であります私どもの祖師・日蓮聖人は、「行学の二道をはげみ候べし。行学たへなば仏法はあるべからず。我もいたし人をも教化候へ。行学は信心よりをこるべく候。力あらば一文一句なりともかたらせ給べし」(『諸法実相鈔』)と仰せであります。これは、自分が頂いたみ教えの中に有り難いと感じるところが一言一句でもあったならば、それを自分一人のものとしないで、他の人にも分け与えてあげなさいということです。
このお言葉にありますように、会員の皆さまは一丸となって、それぞれの立場で家庭、社会、日本、世界の平和のためにご精進をしておられます。そのことが、本日の集いにつながっておられることと存じます。