一人ひとりが平和の礎に「ゆめトモ交流プログラム」

5月26日に名古屋教会で行われた「ゆめトモ交流プログラム」の様子

立正佼成会の「ゆめトモ交流プログラム」が5月16日から27日まで開催された。期間中、本会の門司、小倉、福岡、久留米、徳山、丸亀、豊中、神戸、津、名古屋、豊橋、岡崎、安城の13教会が、それぞれの日程と会場(主に各教会道場)でプログラムを実施。本会一食(いちじき)平和基金のパートナー団体であるフィリピン・ミンダナオ島の「ミンダナオ子ども図書館」(MCL)の奨学生ら13人と各教会の青年部員らが交流した。この中から、26日に行われた名古屋教会での取り組みを紹介する。

思いやりの心を育む出会い

「親子で取り組むゆめポッケ」では毎年、紛争などで傷ついた世界の子供たちへ、本会の小学生、中学生が文房具やおもちゃを詰めた布製の袋(ゆめポッケ)をおくっている。この活動をきっかけに、本会の青年部員と、過去にゆめポッケを受け取った現地の青年たちが日本で交流することを通して、共に思いやりの心を育み、平和について考える機縁とすることを目的としたのが、「ゆめトモ交流プログラム」だ。

5月16日、小倉、門司両教会がMCLのメンバーを受け入れ交流

26日に名古屋教会で実施した同プログラムには、青年部員ら150人が参加した。これは同教会の「ゆめポッケ」事前学習会も兼ねている。

同日午前、男子小学生(10)と女子小学生(10)の司会で交流会がスタート。名古屋を紹介するビデオの上映やレクリエーションの実施に続き、MCLの松居友館長があいさつに立ち、フィリピンの現状をはじめ、ミンダナオ島の紛争の歴史や国内避難民への支援活動(メモ参照)について、現地の映像を交えて報告した。さらに、「ゆめポッケ」の配付活動に触れ、「ゆめポッケを受け取った子供たちが皆、この上ない笑顔を見せるのも、日本の皆さんの、彼らの幸せを願う愛や友情が込められているからだと思います」と語った。

続いてMCL奨学生9人と同スタッフ2人がそれぞれ自己紹介した。その後、奨学生たちが紛争や両親の離婚などに直面しながらも、MCLの支援を受け、宗教や民族の違う奨学生と一緒に勉学に励む様子を伝えた。その中の一人、奨学生のリッキー・ムンドッグさん(26)は、「実家が貧しい農家だった僕に、ゆめポッケが生きる希望をくれました。将来は大学を卒業して農業技術者になり、故郷に帰って農業指導をしながら、地元の人たちの生活向上に貢献したい」と、「ゆめポッケ」が人生の一つの転機となったことを、感謝の思いとともに語った。

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