内戦、津波被害者の心のケアに スリランカで佼成カウンセリング研究所が講座

講座はグループワークによって行われ、表現活動を通じて協力や連帯の大切さを学習した

スリランカの内戦や津波被害で心に傷を受けた人々のケアに携わるカウンセラーの技能向上のため、佼成カウンセリング研究所による「カウンセラースキルアップ講座」が4月4、5の両日、スリランカ・コロンボ市郊外のヴィシュヴァ・ニケタン国際瞑想(めいそう)センターで行われた。同国政府からの要請によるもの。講座では、臨床心理士の井上孝代・明治学院大学名誉教授が講師を担当し、稲毛田貴史同研究所所長があいさつに立った。

スリランカでは1948年の独立後、多数派のシンハラ人優遇政策に少数派のタミル人が反発し、対立が深まった。83年に内戦が勃発。2009年に終結するまでに約7万人が犠牲になった。また、04年には、スマトラ島沖地震による津波が発生し、約3万5000人が命を落とした。

講師を務めた明治学院大学の井上名誉教授(左)

内戦や津波によって家族を失ったり、長期の避難生活によるストレスを受けたりした人々の中には、アルコール依存症や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを発症し、社会生活が困難になり、貧困に陥るケースも見られるという。心的ケアを必要とする人を支え、貧困から抜け出す支援を図るため、同国政府は、その人材の育成を目的としたプログラムの実施を、立正佼成会スリランカ教会を通じて佼成カウンセリング研究所に要請。被災地域で活動する同国社会福祉省のカウンセラー部門に所属する公務員(400人)の中から、地域のリーダーを務める44人が受講した。

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