佼成学園・監督対談 女子ハンドボール部石川監督×男子アメリカンフットボール部小林監督 『勝利に導く指導力』(後編)

部活動を通して育まれる人間力

――部活動を通して、培われるものとは

石川 自立心でしょうか。親御さんが部活をやらせてくれているのは、全て子供の成長のためです。ハンドボールを続けた経験によって人間的に成長し、きちんと自立していくことを、親は願っているんだと選手たちに伝えています。

小林 私は、社会に出てからも、アメフットで培った粘り強さを大切にしろと伝えています。チームスポーツとしては、いかに人に優しく、自分に厳しくできるかというところなのかなと思います。人間性を磨いてほしいですね。

――今回お二人は初対面ということでした。最後に、対談のご感想と今後の抱負をお願いします

小林 石川先生とは何かとご縁を感じつつ、雲の上の存在だったので、今回はいろいろと意見交換をさせてもらえて有り難かったです。

アメフットは年末のクリスマスボウルが一番大きな大会ですけれども、昨年の秋と今年の春の東京大会の優勝カップ、さらに今年の関東大会も合わせて、優勝カップが5個全てうちの学校にありますので、現状を維持できるようにと意識を集中しています。女子のハンドボールに負けないように、連覇に向けて頑張りたいと思います。

石川 私は長年、女子の畑で監督をさせて頂いていますので、男子を束ねて日本一にされるには、どのような秘訣(ひけつ)があるのかなと、大変興味深くお話を聞かせて頂きました。今後もいろいろな刺激を与えて頂けると有り難いです。

私も年を重ね、幸い後継者も出てきてくれましたので、指導は少しずつバトンタッチをしながら、ハンドボール部を今後ますます発展させていけるよう力を尽くしていきます。全国から佼成学園女子高によい選手が来てくれる状態を保持しつつ、欲張りですから、監督のうちにあと何回かは日本一を取りたいと願っています。

――本日はありがとうございました。

プロフィル

いしかわ・ひろかず 1964年、東京都生まれ。中学でハンドボールを始め、東海大学を卒業後、佼成学園女子高校体育科の教諭として入職した。92年、同校ハンドボール部の監督に就任し、全国大会でこれまでに6回の優勝を果たす。育成の手腕と実績を買われ、過去に女子ユース(U-18)日本代表のコーチや監督を務めた。今年、同校教頭に就任。

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こばやし・たかし 1968年、東京都生まれ。選手として、日本大学「フェニックス」黄金期RB(ランニングバック)として活躍し、社会人チームと対戦する日本選手権「ライスボウル」3連覇に貢献した。大学卒業後は社会人チーム・アサヒビールクラブ「シルバースター」に所属し、92年度、93年度の日本選手権で2連覇。母校である佼成学園の監督就任から23年目の昨年、「ロータス」を悲願の全国優勝に導いた。