本会一食平和基金運営委 「一食地域貢献プロジェクト経験交流会」開催と昨年度の各教会の取り組みから
品川教会 安心できる日常を子供たちに 一食運動でつながる地域貢献
品川教会は、「一食地域貢献プロジェクト」に参加して6年目になる。昨年度は渉外部長(58)を委員長に、青年部員、支部の渉外担当者らで委員会を構成。地元への着実な貢献を大切にして、品川区社会福祉協議会の協力を得て情報収集し、「目に見えにくい子供の貧困」という現実があるとの認識を新たにした。そこで、一昨年に引き続き、同協議会に設置される「しながわ子ども食堂ネットワーク」に支援先を決定。昨年12月15日、教会道場に同団体の岡田竜一室長を招き、支援金の贈呈式が行われた。式典の様子はオンラインで会員に配信された。
同団体は、同区内の子ども食堂関係者など子供たちの居場所づくりを目指す人々の交流を目的に、情報交換や学習会、食材や日用品の寄付の受け付けを行っている。区内35カ所の子ども食堂への食材などの提供や活動資金の助成のほか、広報活動にも力を入れる。
岡田室長は、「コロナ禍や物価高の影響で生活が困窮したり、孤食で寂しい思いをしたりしている子供が安心できる居場所を目指しています。食に関する支援は切らしてはならず、子供たちの心身の健康のために、子ども食堂を継続できるよう地域の皆さんの支えが重要です」と話した。
また、昨年11月には、同教会の過去5年間の支援活動に対し、区協議会から社会福祉功労団体として感謝状が贈呈された。
委員長は「地域に貢献できたことで『一食を捧げる運動』の大切さを実感し、募金箱を持って手どりに歩くなど、運動の啓発に意欲的に取り組む会員さんが増えてきました。今後は、より多くの人が参加できるように、フードドライブのような取り組みもできればと考えています」と語った。
湘南教会 青年を中心に地元NGOを支援 学習会や清掃活動で交流深める
湘南教会では、若い世代の視点を活動に生かそうと、青年部員を中心に委員会を結成した。地域の課題について意見を出し合う中、特に「環境問題」「子供の貧困」への関心が高いことが分かり、神奈川・茅ヶ崎市で環境保護活動を行う有志団体と、平塚市でフードバンクを運営する認定NPO法人への支援を決定した。
このうち、茅ヶ崎市の団体は、ごみ問題や食品ロスといった地域の環境問題を解決しようと、10~20代の若者を中心に、フリーペーパーによる情報発信や、小中学校・高校での講演、地域住民に向けたイベントの企画など、幅広い活動を展開している。
昨年5月7日に教会道場で行われた支援金の贈呈式では、「青年の日」の一環として、同団体の代表2人による講演会も行われた。当日は、オンライン配信の視聴者を含めて35人が参加。ごみの増加と地球温暖化の関係や、ごみを減らすための工夫などがクイズを交えて紹介され、参加者は日常生活の身近な問題と捉え、無理なく取り組み続ける大切さを学んだ。
さらに、一食の取り組みを通して同団体の理念への共感を深めた同教会では、団体が主催する「河口クリーン」活動にも参加。会員たちは月1回、相模川の河口に漂着したごみを清掃する中で、街から川、海へとごみが流れる現状を知り、共に参加する住民や団体と交流し、環境問題に対する意識を高め合っている。
これらに参加した青少年たちからは、「ごみの分別やリサイクルなどを見直すきっかけになった」「講演を聞いて、家のご飯や給食を捨てないように残さず食べようと思う」など、多くの気づきや誓願が届いた。
同教会のプロジェクト委員長を務める青年育成担当(50)は、「支援先の方の話を聞き、活動にも参加させて頂いたことで、私たちの浄財が地域の役に立っていることを実感しました。今後もみんなで楽しみながら取り組んでいきたい」と話した。