WCRP/RfP 第10回世界大会宣言文(仮訳)
公正で調和のある社会を促進する
我々は、さまざまな宗教者や諸宗教組織が思いやりと正義への信念を抱きながら、公正で調和のとれた社会の構築に取り組んでいることを心強く思う。我々は、人々が大規模に移住させられることによって生じる危機(そこには難民や移民となった人々にとどまらず、彼らが定住した社会の危機も含まれる)など、世界の不正義に対し、継続して共に立ち向かう。我々は国際的な強制移住の問題に対する行動を優先事項とする。我々は“Welcoming the other”――すなわち他者を歓迎する模範を示すことで社会をリードし、公正で調和に満ちた多様な社会を構築して維持するために必要不可欠な相互の尊重、相互依存、連帯を、人々の心に涵養することを確約する。それらすべてに関連して行われる取り組みとして考えられるのは、市民社会における「徳」の醸成と多様な社会への理解の向上に焦点を当てることを目的にした、幼児期から成人に至るまでの年齢の市民を対象とした宗教リテラシー等に関する教育の実施である。我々は、さまざまな宗教伝統や受け継がれてきた倫理によって幅広く共有されている「徳」に立脚し「徳の連帯」を推進する。
我々は、子どもならびに社会的弱者やそのコミュニティを保護し、深刻な苦しみにあえぐ彼らの人権や福祉を擁護することを誓う。我々は汚職に対し強く反対の声をあげ、良いガバナンス(統治)の推進に向け行動を起こす。また宗教コミュニティ内においても、市民社会のパートナーや政府と協力しながら、あるべき信教の自由を世界中に確立するため共に努力することを確約する。我々信仰者は聖地を保護し、聖地が安寧の地となることを切に希望する。そして聖地のまわりに「平和の輪」を築くために、国連の「文明の同盟」と連携しながら、暴力や冒瀆(ぼうとく)から聖地を保護し保全する。