WCRP/RfP 第10回世界大会 プログラムから
女性・青年事前会議 価値を広く捉え、連帯を基に行動
大会に先立ち、19日には女性事前会議と青年事前会議が行われた。国際会議場「インゼルハレ」での女性事前会議には代表者90人を含む150人が参加。日本からカトリック東京大司教区アレルヤ会の森脇友紀子会長(日本委女性部会会長)と清泉女子大学の松井ケティ教授(同女性部会委員)が出席し、本会の和田惠久巳国際宗教協力専任部長がファシリテーターの一人を務めた。
発題に立ったメーレジア・ラビディ・マイザ師(国際名誉会長)は、「変革の行動に対して、女性は付属の力ではなく、主流の力を有している」と強調。女性の連帯を基にして宗教的価値を広く伝えていく能力の高さや感受性の豊かさという特徴を生かし、世界をより良いものに変えていく重要性を訴えた。続いて、アフリカ、アジア、欧州、北米、南米、中央・北アフリカの6地域委員会の各代表者が、事前に行われた地域会合の内容を報告。これらの議論を踏まえてグループワークが開かれ、女性への教育の普及や充実などが今後の取り組みとして出された。
会議の後、森脇氏は「語り合うだけでなく、具体的な行動にどう移していくかが課題。一方、今回は若い女性の参加が多く、関心が高まっていることを肌で感じた」と話した。松井氏は「教育について話し合われたが、教育では、世界の問題と自身とがどう関係しているかを知ることがとても重要。これは日本の課題でもある」と語った。
一方、ホテル「バイリッシャーホフ」での青年事前会議には約90人が集った。日本からは、本会青年ネットワークグループの齋藤侑助スタッフ(同日本委青年部会幹事)と太宰府天満宮の加藤大志権禰宜が参加した。
6地域委員会の各会合の報告では、セネガルの女性が、アフリカでは人口の6割以上が20歳以下であると述べ、「これからのアフリカを担うのは青年層」と指摘。アフリカ各地の紛争を解決するため、信仰を持つ青年のネットワークを強めて正しい情報や技術を共有し、連帯しながら自分たちの提言を各国政府に働き掛けることが重要と力説した。この後のグループワークでは、天然資源の保護、生産と消費のあり方、正しい情報の共有とエンパワーメントの方法などについて意見を交わした。
加藤氏は、「各国の青年たちが、今、この瞬間にできることはないかと必死に考え、具体的な行動を起こそうとしている姿を目にし、もう、違う宗教の人たちが集うだけの段階は終わったのだと感じました。神職として世界の諸問題の解決に向けて何ができるかを考え、自分ができることを精いっぱい取り組んでいきたい」と語った。