WCRP/RfP 第10回世界大会 プログラムから

特別セッション 中東・北アフリカの女性が、多様な場で活躍するために

21日午前、『平和推進者としての中東・北アフリカ地域の女性による対話』と題した特別セッションが設けられた。チュニジア憲法制定議会初代副議長のメーレジア・ラビディ・マイザ師(国際名誉会長)、前イラク議会議員のレイラ・アルハファジ氏、エジプト国務大臣のナビラ・マクラム氏、ユダヤ教徒で駐米国バーレーン前大使のフダ・アザール・ヌヌ師がパネリストを務めた。

世界では現在、平和構築に向けた取り組みの中で女性が重要な役割を担っていることが明らかになっているが、その活躍が十分に認識されていないといわれる。WCRP/RfPでは、正しい認識を広めるため今回の特別セッションを開いた。

マイザ師は、亡命の経験を基に、チュニジアでアラブ圏で初となる人種差別を禁止する法律の制定に尽力した経緯を紹介。宗教は全ての人にとっての平和を説いており、公正な社会をつくるには、憲法や法律の制定とともに、信仰を持つ女性が政治や公共の場で役を果たすことが重要と語った。

アルハファジ氏はかつて、フセイン政権に反対したことで家族が殺害され、自身も11年間収監されたこと、さらに出所後にカナダへ亡命し、新聞を発行して当時のイラクの真実を伝え続けた体験を披歴した。その上で、帰国後は議員として女性の地位向上に努めた経験に触れ、「女性に対する苦難は、簡単にはなくなりません。それでも、私たちはより良い人生、社会を築き、夢をかなえることができると信じています」と力強く語った。

一方、マクラム氏は、エジプトでは女性官僚が増えている現状を報告。さらなる女性の活躍を目指し、国内外で幅広い女性ネットワークを構築して連帯感を強化する必要性を指摘した。

ヌヌ師は、バーレーンでは女性の権利が保護・尊重され、2011年からは女性が議会に携わるようになるなど、男女平等への取り組みが進められていると説明。「具体的な解決策を示していくことが私の役割。次世代を担う女性たちの教育に力を入れていきたい」と語った。

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