WCRP/RfP 第10回世界大会 プログラムから
式典「聖なるものを守る」 市民と共に 平和の尊さ訴え行進
21日午後、参加者は国際会議場からルイトポルト公園まで平和行進し、市民と共に式典「聖なるものを守る」を開催した。公園には、世界大会に合わせ、世界中の木材を用いて制作された高さ7.5メートルの木製彫刻「リング・フォー・ピース(平和のための輪)」が設置された。メビウスの輪の形は諸宗教間の平和を表す。
彫刻の前で行われた式典では、国連「文明の同盟」のミゲル・アンヘル・モラティノス・クヤウベ上級代表がスピーチ。宗教遺産や聖地の管理・保護は宗教の多様性を尊重するものであるとし、共生による平和の尊さを訴えた。また、諸宗教の代表がメッセージを発し、参加者は市民と共に平和の祈りを捧げた。同日夕には、市街地の市場広場で地元の宗教コミュニティーによる夕食会が開かれ、大会参加者は市民と交流を深めた。
『行動に向けて』知見をつなぐ4セッション 各会場で同時開催
今大会では22日午後に、『行動に向けて』と題して四つのセッションが各会場で同時に行われた。「対話型ワークショップ」では、世界の課題について、各分野の専門家が参加者の知見や経験を引き出し議論を深めた。「グローバルギャラリー」は各国委員会の優れた取り組みを紹介するものだ。「ライトニングトーク」では、持続可能な開発目標担当国連事務総長特別顧問のジェフリー・サックス教授やデビッド・ローゼン米国ユダヤ人協会諸宗教対話部長(国際共同会長)など、国連の上級代表や宗教者が登壇。会場に集った人たちの意識や思考を喚起するトークを展開した。また「宗教と外交」のセッションは今大会の特徴の一つで、宗教指導者と外交官が意見を交わした。両者の知見を組み合わせることが目的。ドイツ政府の「宗教と外交政策」部門の協力によって実施された。
この中のグローバルギャラリーでは、北法相宗音羽山清水寺の大西英玄執事補が、あらゆるいのちを尊ぶ「もったいない」の精神を紹介し、日本委員会気候変動タスクフォースの植樹活動などを報告。清泉女子大学の松井ケティ教授は、東日本大震災や熊本地震を教訓に、同女性部会が発刊した『災害時に備えて――発達障がい児者受け入れのてびき』などの取り組みを説明した。