広島県下5教会の会員有志で構成 NPO法人「HRCP」が設立から20年
上田知子理事長 談話
私たちは、広島を訪れる人たちに、74年前、広島で何が起こったのかを知ってもらうことで、自分たちの未来を考えるきっかけにしてほしいと願って活動しています。
原爆投下の歴史を知るだけでは、「あの当時は恐ろしいことが起こったんだな」「あんな時代に生まれなくて良かった」という思いで終わってしまいかねません。私たちは資料館や公園を巡る中で、学生の皆さんに、「こんなことが二度と起こらないためにはどうしたらいいと思う?」「平和のために自分ができることは何だろう?」と尋ねます。核兵器がこの世界にある限りは、かつての惨劇がまた起こるかもしれない、と“自分ごと”として受けとめてほしいのです。
私自身は、被爆二世です。私の周りには、心や体に被爆の傷痕を抱えている人がいました。中学生の時には、原爆の子の像のお世話や、慰霊式への参列などを通して、被爆者の方々とも交流がありました。HRCPでも被爆者と触れ合い、「自分たちと同じ経験を二度と他の人にさせてはならない」という被爆者の深い願いを引き継いでいかなくてはならないと、ますます強く感じています。
一人ひとりの声は小さいかもしれませんが、「戦争は嫌だ! みんなと仲良くしたい!」という平和への願いが大きな波になるように願っています。
今、世界では再び平和をおびやかすような動きが見られるような気がします。多くの人に“ヒロシマ”を知って頂き、平和のために行動する仲間づくりをしていきたいと思います。
被爆体験を後世に ヒロシマの実相を伝える、三人の平和の祈り