第10回フォコラーレ大志・交流使節団 信仰の役割見つめ、平和に向け協動

一行は、生前のキアラ師の住居を見学後、諸宗教対話を推進したナタリア・ダラピッコラ師をはじめ、同運動の功労者が眠る共同墓地を訪れ、慰霊の誠を捧げた。

ホームレスの人々のために、フォコラーレの青年と120食分の食事作り

次いで、今回初めてとなる平和に向けた協働のプログラムが行われ、ホームレスへの食事作りに臨んだ。河川敷や公園などで暮らす日本のホームレスは約5000人(2018年調査、厚生労働省)に対し、イタリアは10倍の約5万人(14年、イタリア国家統計局)で、多くが移民といわれる。近年は、シリア紛争などの影響で、アフリカ大陸から地中海を渡って移民が流入。また、1990年代から、東欧革命やEU(欧州連合)の創設などによって、周辺諸国から職を求めて入国したものの、職を得られずにホームレスとなった人々が少なくない。

一行は炊き出しを行っている慈善団体「RomAmoR ONLUS(ローマアモーレ・オンラス)」の活動に参加。同団体では毎週、メンバーが調理し、駅周辺で暮らす人々に食事を提供している。この日は、2時間かけて、120食分のスープ、カットフルーツ、サンドイッチを作った。

この日のプログラムを終えて、女子大学生(20)=筑豊教会=は、「フォコラーレの方は神を愛し、キリスト教の起源を知り、創始者の願いをしっかりと受けとめ、自主的に実践されていました。私は生まれた時から家族がすでに佼成会の信仰をしていたので、当たり前過ぎて信仰について深く考えてこなかったのですが、宗教が違う人と交流し、互いの信仰について話すことで自分が信仰者であることを自覚しました」と話した。

同運動の女性メンバーの一人(27)は、「立正佼成会の皆さんが祈る姿(題目三唱)を見て、とても神聖さを感じ、心が洗われました。『世界を平和にしたい』という同じ思いを共有する皆さんと、一緒にボランティアに取り組めたことは、素晴らしい体験です」と笑みを浮かべた。

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