WCRP/RfPミャンマー委員会顧問のボー枢機卿に聞く 「ミャンマー・ハイレベル諸宗教使節団」の会合を終えて(1)

チャールズ・ボー枢機卿

ミャンマーの平和構築のため5月23、24の両日、「ミャンマー・ハイレベル諸宗教使節団」の会合がヤンゴンで行われた。使節団は、この会合での議論などを踏まえ、公開書簡「ミャンマーの平和と発展に関する諸宗教の展望――世界の宗教指導者からミャンマーの人々への手紙」を採択。25日に首都ネピドーにある外務省を訪れ、未来への展望を記した公開書簡をアウンサンスーチー国家顧問に提出した。会合を主催した世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)ミャンマー委員会顧問であるカトリックのチャールズ・ボー枢機卿に、今回の一連の取り組みの成果、宗教協力の意義などについて聞いた。

――今回の会議の成果は何だと思いますか

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)のメンバーをはじめ世界の諸宗教者がこの地に集い、ミャンマーの状況について議論を深めることができました。これは初めてのことです。その上で私たちは、アウンサンスーチー国家顧問と会談しました。この地で諸宗教者による会合が初めて開催できたこと、さらに現在の状況をより深く理解し、国家顧問とも考えを共有できたとことは今後、とても重要な意味を持つと思います。

また、特筆すべきは、多くの議論を重ねて採択した公開書簡が、WCRP/RfPのネットワークを通じて93カ国の政府、また私のつながりであるバチカンに届けられたことです。今回の会合の意義や成果、さらに現状を多くの方に把握して頂けることでしょう。

会合を通して、ミャンマーが抱える問題に関心のある多くの人々と協力関係が構築できたことも大きな意味があります。明日(5月26日)、参加者の一部がラカイン州の州都シットウェを訪ねますが、そこには宗教大臣をはじめ外務省や宗教省の関係者も同行します。現地で視察した内容をさまざまな形で報告していきたいと考えています。

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