再生可能エネルギーの活用事例に触れる 庭野平和財団が長野・飯田市で学習会

庭野平和財団のGNH(国民総幸福)現地学習会「長野県飯田市フィールドツアー」が9月8日から10日まで行われた。同財団と交流のある諸団体から8人が参加した。

同学習会は、経済発展の数値ではなく、国民の幸福度に関わる「環境保護」「持続可能な社会経済開発」などGNHの考えを基に、豊かさの意味を考えるもので、毎年テーマを設けて各地で実施してきた。今回のテーマは、『地域の発展と人々の力――再生可能エネルギーの活用』。自然エネルギーの実用化に向けた地域の取り組みと、それを支える地域の文化的背景、自治体や市民の連携などについて学ぶため、「環境モデル都市」の長野・飯田市を訪問した。

一行は化石燃料ゼロハウス「風の学舎」を見学

同市は、1996年に環境文化都市構想を掲げ、2013年には、自然資源を地域の共有財産と捉え、市民が優先的に活用できる「地域環境権」を条例で定めるなど、市民と自治体が協力し、再生可能エネルギーを活用した地域づくりを推進してきた。

一行は8日、NPO法人「いいだ自然エネルギーネット山法師」の運営する化石燃料ゼロハウス「風の学舎(まなびや)」を見学。風の学舎は、地元産の木材と伝統工法を生かして建設され、太陽光発電や太陽熱温水器、雨水タンクを備えた自給施設で、多くの市民や学校が研修などで利用している。

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