脇祖さま報恩会 本会の礎を築いた長沼脇祖を追慕

長沼妙佼脇祖の祥月命日にあたる9月10日、「脇祖さま報恩会」が大聖堂(東京・杉並区)をはじめ、立正佼成会の全国各教会で行われた。

本会は、1938年に創立した。長沼脇祖は、法華経の教えに基づいた慈悲喜捨の実践に励み、庭野日敬開祖と共に、副会長として本会の基礎を築いた。また、会員の育成に取り組み、会員からは「慈母」と慕われた。

約3600人が参集した大聖堂での式典では、長沼脇祖の法話(録音)が放送され、読経供養が行われた。導師をつとめた川端健之理事長が「報恩讃歎(さんたん)文」を奏上。次いで、島田東京教区長(南多摩教会長)が体験説法を行った。

島田教区長は、教えを信受し実践する両親の姿を見て成長したものの、信仰を「古めかしいもの」と感じて反発していた青年時代を述懐。結婚後、義母や、教会幹部との触れ合いによって次第に信仰の道へと導かれ、両親への感謝に目覚めたと語った。その後、庭野会長の「信仰は一人ひとりみんな初代で、自らが決定(けつじょう)し願って信仰の道を歩んでいる」との言葉に出合い、自分は親からの信仰を受動的に引き継いだわけではないことに気づいた体験を紹介。「人さまの幸せを願って生きる、真の人間としての生き方をしたいと願っていたのは私自身でした。私の中に『真因』があったのです」と語り、法を多くの人に伝えていく決意を表した。

この後、法話に立った庭野会長は、一人ひとりが仏の願いに沿った信仰者となっていくよう修行することが大事であると強調。「人間として生きるための心の据えどころ、心意気、覚悟というものを教えて頂けるのが仏教です。このみ教えを学び、行じ、帰依する。そして実践することで、この苦しみの多い娑婆世界が、調和のとれた平和な世界、寂光土(じゃっこうど)となるのです」と述べた。

さらに、在りし日の長沼脇祖の姿を追想し、「厳しさと優しさ、そして人さまの心を見通してお救いする力をお持ちの方でした。私たちも脇祖さまのように、悩み、苦しんでいる方々の心をくんで、お救いさせて頂く、その修行を一所懸命させて頂きたいと思います」と語り、報恩感謝の心で精進し続ける大切さを説いた。

長沼妙佼脇祖について(教団ウェブサイト) http://www.kosei-kai.or.jp/010gaiyo/0102/