東北アジアの平和共同体構築に向け 韓国・釜山でIPCR国際セミナー2017

日中韓の代表者が発題

基調講演後の第1セッションでは、『異なる信仰の仲むつまじい共存を実現し、平和共有を推進させる』をテーマに、アディリジャン・ハジ・ゲリム・中国イスラーム協会副会長が発題。世界平和の実現には、異なる信仰を持つ者同士が互いを尊重して対話を重ね、相互に理解を深める必要性を示した。

翌8日に開かれた第2セッションでは、山本師が『和解をめざして――アジアに対する日本人の差別の根底にあるものと宗教』と題して発題を行った。日本人の心にアジア諸国に対する差別意識が形成された近代の歴史を踏まえ、相手の実像を全く知らないために差別や偏見が生まれたとし、対話による相互理解、信頼醸成の重要性を強調した。

『朝鮮半島における平和体制の意味とその展望』と題する第3セッションでは、キム・ハクゼ・ソウル大学統一平和研究所教授が登壇した。北朝鮮の核開発は、各国の制裁で北朝鮮を孤立させたためと自らの見解を説明。北朝鮮の核開発を止めるには、日中韓の3カ国に加え、米国、ロシアといった関係諸国が歩調を合わせ、北朝鮮の経済発展に協力するなどの解決策を提示した。

青年セッションで発表する大西師

この後、青年セッションが行われ、WCRP/RfP日本委青年部会幹事の大西英玄・北法相宗清水寺執事補が『青年の視点――東北アジア平和共同体構築のための課題』をテーマに発表。未来を担う各教団の青年が国内外の諸宗教対話を進め、多国間で協力して共通の課題解決に取り組むことが求められていると語った。