未曾有の技術革命と人類の終末論の間で 揺れ動く米国のAI開発企業

AIの研究開発に対する危惧と憂慮

同16日、国連のグテーレス事務総長も、22日から始まる国連総会を控え、AI開発者らが指摘するリスクを「無視できない」としながら、「超大国が相手に先行するため可能な限り速く(開発を)進めようとすれば、深刻なリスクを生みかねない」(17日付「47NEWS」電子版)と警鐘を鳴らした。米国と中国を念頭に、AI開発に関する国際的な枠組みを策定する必要性を訴える発言とみられる。同氏は、今回の国連総会でAIが主要議題の一つになると予告した。

バチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿は16日、イタリアの下院で開かれた『AI時代における信仰と理性』と題する会議に参加し、会議の合間に報道関係者からの質問に答え、「(AIという)世界的な現象に対処するためには、皆の参画が必須となる」と前置きしながら、「私が憂慮しているのは、いくつかの国が独自の道を歩もうとしていることだが、この現象を管理するためには、全ての国を巻き込んだ共通の規範が必要であり」、そうでなければ「人類の未来が脅かされるように思う」と語った。

教皇は24日、バチカンで同科学アカデミーの会員らと会い、彼らに向けたスピーチの中で、「AIがもたらす最終的な結果は、いまだ不確定」だが、「医療、診断や病気の治療の促進、食糧とエネルギーシステムの強化、宇宙と自然に対するより深い理解、人間の創造性と協力に関する新しい可能性などの分野で」、「人類に、より明るい未来を提供できるように」と願った。しかし、AIが個人の監視、操作、差別のために利用される危険性を指摘する教皇は、複雑なサイバー能力や自律兵器が、「適切な安全措置と人間による管理なしに開発、利用された場合、新たな危険が生じ、国際平和を脅かす」とも警告した。

さらに、現行のAIシステムが膨大な量のエネルギーと水を消費することへの憂慮を表明し、二酸化炭素(CO2)の排出量にも影響を与えると注意を促した。AIがもたらす“可能性”と“危険”が、「技術の発展は、単なる技術上の問題にとどまるものではないことを思い起こさせる」と指摘する教皇は、「おのおのの技術が、明示的に、あるいは暗黙のうちに、特定の人間・人格に関する理解と、われわれの築こうとする社会や未来を反映しなければならない」と主張した。

「われわれ人間が世界を変革する能力が大きくなればなるほど、何が神から与えられた尊厳に真に奉仕するのかを見極め、技術を賢明に統治し、われわれの選択がもたらす結果の大部分を背負う人々に配慮する能力も、それに比例して大きくならなければならない」と、教皇はバチカン科学アカデミーの会員らに呼びかけた。

(宮平宏・本紙バチカン支局長)

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