本会一食平和基金「令和7年度運営報告」 支援総額1億7839万円に

「カンボジア仏教研究復興支援事業」では、バッタンバン州で青年僧侶が学ぶ仏教初等学校の運営支援も行われた

立正佼成会一食(いちじき)平和基金の令和7年度運営報告が先ごろ、同基金運営委員会(委員長=山中快之教務部長)から発表された。支援総額は1億7839万2697円。同運営委は、「一乗精神」に基づく共生世界の実現のため、『分断を越える”つながり”を築く』をテーマとする「中期方針」(2024~29年)に沿って、「教育・人材育成を軸とした貧困の解消」を重点課題に据え、国内外のさまざまな事業に献金を拠出した。

同基金は、会員が貧困や紛争などに苦しむ世界の人々の幸せを願い、食事などを抜いて節約分を献金する「一食を捧げる運動」(一食運動)の浄財を活用している。

昨年8月に発生したアフガニスタン東部地震の被災者に対して認定NPO法人ジェン(JEN)が行った緊急支援事業の中で、 温かい食事を受け取る被災者の女性たち(同団体提供)

ユニセフなど五つの国連機関の最新レポートによると、世界の飢餓人口がここ数年で減少傾向にある一方で、アフリカの大部分と西アジアの地域では栄養不良状態にある人が逆に増加しており、2030年までのSDGsの目標2「飢餓をゼロに」の達成が極めて困難な状況にあることが懸念されている。

こうした現状を受け、同運営委は特に力を注ぐ「貧困(飢餓)の解消」の分野において、国連世界食糧計画(国連WFP)による「南スーダンにおける学校給食支援」や、マラウイ赤十字社(MRCS)の「マラウイ・学校給食プロジェクト」を助成し、子どもたちの栄養改善と就学率向上に寄与。NPO法人JIM‐NET(日本イラク医療支援ネットワーク)が展開する「イラク・バスラにおける小児がん・白血病患者支援」などの事業も支援した。

NPO法人国際協力NGOセンター(JANIC)による対面研修でのグループ・ディスカッションの様子©NPO法人NPOサポートセンター

また、親から子どもへと連鎖する貧困の根本的な解消に向けた「教育・人材育成」にも注力。日本の子どもたちが一食運動を実践し、紛争の影響に苦しむ子どもたちに、手紙と共に彼らの必要品をギフトとして贈る「ドリーム・ギフト」など10事業に浄財を活用した。なお、「カンボジア仏教研究復興支援事業」は、同国の内戦で壊滅的となった仏教および精神文化の復興に貢献するという点で一定の成果を上げたことにより、昨年度をもって支援を終了した。

パレスチナ・ガザ地区での認定NPO法人日本国際ボランティアセンター(JVC)による緊急支援事業として行われた、子どもの栄養状態を確認する簡易健診(同団体提供)

「緊急救援・復興支援」では、東日本大震災復興支援としての「一食福島復興・被災者支援」事業(25年度で完了)を包括する「緊急救援・復興支援プロジェクト」をはじめとして、国内外で発生した自然災害の激甚化や紛争被害の増大に対する緊急救援活動に資金を拠出。加えて、昨年度の一食運動50周年を記念し、本会と聖エジディオ共同体(カトリック在家運動体=本部・ローマ)による「アフリカ・HIV/エイズ事業」の担当者をマラウイから招き、事業報告会や交流イベントを実施した。このほか、浄財の一部を教会が主体的に活用して地元の非営利団体を支援する「一食地域貢献プロジェクト」などにも役立てられた。