「ゆめトモ交流プログラム」 比ミンダナオの青年が来日

ミンダナオ子ども図書館の奨学生が来日。ダンスや合唱を発表し、本会の青年部員と交流した

「ゆめトモ交流プログラム」が5月21日から28日まで、立正佼成会の中国、静岡、千葉、奥羽の4支教区で実施された。フィリピン南部のミンダナオ島にある、本会一食(いちじき)平和基金のパートナー団体である「ミンダナオ子ども図書館」(MCL)の奨学生ら12人が来日。フィリピンからの一行は、21日の広島教会での交流をはじめ、24日に青森教会、27日に富士教会、28日に船橋、千葉の両教会を訪れ、青年部員らと友情を深め合った。

ゆめポッケを手に談笑するミンダナオの子供たち

本会では毎年、「親子で取り組むゆめポッケ」を実施し、小学生、中学生が、紛争などで心が傷ついた世界の子供たちに、文房具などを手製の布袋に詰めたゆめポッケをおくっている。今回の交流プログラムは、これまでにゆめポッケを受け取った現地の青年たちを日本に招聘(しょうへい)し、本会の青年部員との交流を通して、互いに世界に目を向け、平和な心を育む機縁とするもの。「ゆめポッケ」の意義をかみしめ、活動の推進や啓発につなげることも目的の一つであり、今回が初の試みとなった。

「ゆめトモ交流プログラム」の各支教区による交流会では、フィリピンのNGOである「ミンダナオ子ども図書館」の松居友館長が、同島の紛争の歴史や国内避難民への支援活動について、現地の映像を交えて報告。続いて同図書館奨学生が発表に立ち、紛争や家庭の貧困などに直面しながらも、同図書館の支援を受け、宗教や民族の違う奨学生と一緒に勉学に励む様子を伝えた。その後、支教区の青年部員らが、ゆめポッケの作製などに取り組んだ感想を発表した。最後に、同図書館奨学生と青年部員の双方がダンスや合唱を披露するなどして互いの文化への理解を深めた。

ミンダナオ子ども図書館の紹介をする奨学生たち

ミンダナオ紛争とミンダナオ子ども図書館(MCL)

ミンダナオ島では、16世紀ごろから、キリスト教系住民とムスリム系住民との間で土地や自治権をめぐる対立が続いていた。1960年代以降、政府軍と反政府組織との間で武力衝突が相次ぎ、市民を含む12万人以上が犠牲となった。そうした中、「ミンダナオ子ども図書館」は2003年の設立以来、被災住民が暮らす村での医療や生活物資の支援、絵本の読み聞かせによる心のケア活動を展開。紛争や貧困の影響下で暮らす家庭の子供への奨学金支給、寄宿舎の提供も行っている。

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