核兵器禁止条約の成立を目指し WCRP/RfP日本委が「ヒバクシャ国際署名」活動発進式

宗教者と被爆者が協力し、清水寺の仁王門で観光客に対して署名活動への協力を訴えた。

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は5月29日、核兵器廃絶を求める「ヒバクシャ国際署名」活動の発進式を京都市の北法相宗音羽山清水寺で行った。被爆者、宗教者36人が参加した。

この署名活動は、核兵器の製造、使用、保有などを禁止する「核兵器禁止条約」の成立を目指し、国際社会に賛同を呼び掛けるため、国内外の被爆者が中心となって昨年4月から始めたもの。2020年9月末までに、世界で数億の署名を集めることを目標としている。

WCRP/RfP日本委は昨年8月、東京・渋谷区の国連大学で国際会議「核兵器廃絶に向けた国際特別セッション――ICJの勧告的意見から20年」を開催。席上、『核兵器の廃絶に対する私たち共通の道義的・法的義務』と題する声明文を採択し、「ヒバクシャ国際署名」活動への「強い支援」を表明するとともに、今年1月に行われた理事会で、同活動の賛同団体に加わることを決定した。

発進式では、清水寺の森清範貫主、WCRP/RfP日本委の核兵器禁止条約タスクフォース運営委員の三宅善信・金光教泉尾教会総長、同顧問の西田多戈止・一燈園当番があいさつ。続いて、木戸季市・日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局次長が講話に立った。

故郷の長崎で5歳の時に被爆した木戸氏は、爆心地の近くで原爆の熱線により黒焦げになった無数の遺体を目にした体験や、無傷の人が放射能におかされ、次第に体調を崩して次々と死んでいった惨状を詳述。「あなたとあなたの家族を『ヒバクシャ』にしてはいけません」と訴え、署名活動を通して、核兵器の悲惨さを伝え、核兵器に対する啓発の重要性を力説した。

続いて、神谷昌道・WCRP/RfP国際委員会軍縮安全保障常設委員会シニアアドバイザーが、核兵器禁止条約の交渉会議の進ちょく状況を報告。核兵器が使用されれば、その影響は誰も制御できず、国境を越えて世界中に広がるという懸念が、100以上の非核保有国の間で共有され、条約成立に向けた連帯の一因になっていると解説した。その上で、こうした国際的な潮流の根底には、終戦直後から核兵器の非人道性を訴え続けてきた被爆者の長年の取り組みがあることを忘れてはならないと強調した。

この後、参加者は清水寺の仁王門前で署名活動を実施。修学旅行生や外国人観光客らに「核兵器廃絶のためにご協力ください」と声を掛け、1時間で290筆の署名が集まった。今後、寄せられた署名は、毎年開催される国連総会に合わせて提出される。今年は10月初旬に国連総会第一委員会議長とキム・ウォンス軍縮特別代表に宛てて届けられる予定だ。

なお、WCRP/RfP日本委は同日、今年3月に国連本部で核兵器禁止条約の制定交渉会議が行われた際、宗教者や市民社会の声を届けるため、国際的NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)と合同で発刊した『核兵器禁止条約交渉ハンドブック』の日本語仮訳版を発表した。

 

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「核兵器禁止条約制定を求める声明発表 WCRP/RfP日本委」(本紙4月10日付既報)https://shimbun.kosei-shuppan.co.jp/news/5526/