「教団創立86周年記念式典(大聖堂建立60周年)」で庭野会長が法話  無上の教えを認識し精進を(動画あり)

大聖堂には全国から約1100人が参集。式典の模様はインターネットでライブ配信(会員限定)された

立正佼成会の「教団創立86周年記念式典(大聖堂建立60周年)」が3月5日、大聖堂で挙行された。啓蟄(けいちつ)とはいえ冬に逆戻りしたような寒さの中でも、大聖堂には1000人を超える会員が集い、祝賀ムードに包まれた。式典の様子と、“還暦”を迎えた大聖堂誕生の物語を紹介する。

式典開始30分前、大聖堂内スクリーンに、1962年7月31日に行われた大聖堂の「通電式」の様子が映った。モノクロの映像には大聖堂のコントロール室。庭野日敬開祖が制御盤のスイッチを入れると大聖堂に明かりが灯(とも)る――。

庭野開祖の熱意と200万人の会員(当時)の真心の結集により、大聖堂は8年の歳月をかけ、2年後の64年5月15日に落成式を迎えた。落成式の聖壇上で、庭野開祖が語る。「この大聖堂をして、いよいよ本仏の理想を実現するということでなければ、今日(こんにち)この大聖堂を建てた意義がないわけであります」「これにふさわしい私どもが信仰内容の決定(けつじょう)をもって、一人でも多くの方に仏さまのみ教えをお分けして、お幸せの心の人を、一人でも早くつくるということが私どもに課せられた使命でございます」――。

大聖堂誕生の物語に見入っていた会員から感嘆の声が漏れた。「懐かしい映像でした。大聖堂の建設にはこんなに大勢の人が関わって、完成までには8年もかかったんですね」としみじみと語る十日町教会会員(80)。名古屋教会会員(76)は、「会員が一丸となって募金をしました。学生だった私も母と共に協力したことを覚えています」と当時を振り返った。

映像が現在の大聖堂へ切り替わり、東京佼成ウインドオーケストラの演奏がホール内に響く。スクリーンには、入会以来、全国各地で教えを実践し続ける412人の功労者名がテロップで流れる。所属教会の功労者の名前が表示されると、参集した会員から拍手が上がった。

熊野理事長、功労者に謝意

演奏終了とともに幕が上がった聖壇に登壇したのは、熊野隆規理事長。功労者に謝意を表し、庭野開祖が大聖堂建立に込めた思い、当時の会員の「根本道場」への熱意をかみしめた。さらに、世界で起こる紛争や能登半島地震の現状を考えると、祝い事の実施を逡巡(しゅんじゅん)する心も湧くが、人々の悲しみを自分事と受けとめた上で、日常の些細(ささい)な出来事に感謝を忘れず、皆で教団創立と庭野日鑛会長の誕生日を祝いたいとあいさつした。

当日の様子(クリックして動画再生)

続いて、奉献者を代表して山形教会青年女子部員(25)が壇上に立った。ホールからかかった山形教会会員の声援に応え、にこやかな表情で、「人さまに笑顔を届け、人と人をつなぐ」仕事に就くため転職活動中にあると発表。「私の幸せを祈り、導いてくれた両親とサンガ(教えの仲間)の皆さまに感謝し、仏さまに真心からお花を捧げさせて頂きます」と語り、全国の青年女子部員代表20人が、花や灯明を供える「奉献の儀」を行った。

読経供養、啓白文奏上の後、スクリーンには御本尊像が現れた。仏像勧請に至った経緯、御本尊像の誕生に心血を注ぐ庭野開祖と、制作者・錦戸新観師の姿、御安置の様子が上映された。

次いで、功労者を代表して、丸亀教会の女性会員(74)と秋田教会の女性会員(77)に、庭野会長から感謝状と記念品が贈呈され、功労者代表の鰍沢教会の女性会員(73)が体験説法を行った。

続いて、天台宗三千院門跡第六十三世門主の小堀光實師が、ひときわ大きな拍手に迎えられて登壇し、祝辞(要旨別掲)を述べた。小堀師は最後に、「サプライズでございます」と前置きし、献灯、献花、献香の意味を込めたパーリ語の歌を披露。参集した会員も小堀師の合図に続いて三帰依をパーリ語で復唱し、ホール内に笑顔があふれた。

庭野会長「無上の教えを一歩一歩」

この後、法話に立った庭野会長は、冒頭、昨年の三千院訪問とこの日の祝辞に対する小堀師への感謝を表した。また、仏の教えはのぼっても果てがない「無上の教え」であると説示。私たちは生きている限り、この教えを一歩一歩、のぼっていこうと決意し、精進していると話した。

さらに、本会は、神仏の深い慈悲と、庭野開祖、長沼妙佼脇祖をはじめ先輩幹部、多くの信者が異体同心となって礎を築いたと述べ、そうした先達から教えを受け継いだ私たち一人ひとりが健康で、元気に人生を歩み続けることが大切と明示。教団創立86周年を迎え、「皆さまと共に、これからもまた歩き、あるいは走る、そうした精進をさせて頂きたい」と語った。

最後に、全会員の感謝を込めて、中野教会の少年部員2人が花束と祝いの言葉を贈った。

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