スイスで開催された集いで諸宗教指導者が難民支援を誓約(海外通信・バチカン支局)

「第2回グロ-バル難民フォーラム」のサイドイベントとして開催された諸宗教者の集い(WCC提供)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、世界教会協議会(WCC)、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)は12月12日、UNHCRがスイス・ジュネーブで開催した「第2回グローバル難民フォーラム」(GRF、13~15日)のサイドイベント(付帯行事)として、WCC本部エキュメニカル・センターで、『難民との連帯における気候平和のために一致する諸宗教指導者』と題する集いを開いた。世界各国から、キリスト教を中心に、バハイ教、仏教、ヒンドゥー教、イスラーム、ユダヤ教、シーク教の指導者たちが参集。立正佼成会から、杉野恭一学林学長(元WCRP/RfP国際委員会副事務総長)が参加した。

UNHCRとWCRP/RfP国際委員会は2021年、「諸宗教指導者評議会」を設立し、紛争、迫害で故郷を追われた人々、無国籍者などの問題の根本的原因を追究し、紛争の和解、予防、平和構築の促進に向けた諸宗教の貢献を模索してきた。今回、アラブ首長国連邦(UAE)での「第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議」(COP28)が閉幕直後であることを考慮し、「COP28に対する信仰を基盤とした(宗教共同体や宗教指導者による)努力と貢献を受け、気候変動で故郷を追われた人々への連帯と支援に向けた諸宗教間の協調を構築する」ことを目的に集いが開催された。

当日は、諸宗教者の祈り、難民との連帯を表明する植樹式で開幕。その後、WCC中央委員会のアイカジアン・ヴィッケン大司教(米国アルメニア教会)があいさつした。この中で、イエス・キリストが、彼の両親が旅先のベツレヘム(現パレスチナ領)で宿を見つけられず馬小屋で生まれ、その後にヘロデ王による幼児の虐殺から逃れるためにエジプトへ避難したという聖書の逸話を紹介。「難民である聖家族(キリスト、マリア、ヨゼフ)を受け入れ、支援した当時のベツレヘムとエジプトの人々に対する謝意」を表明し、「故郷を追われた人たちを受け入れることは(聖家族への支援と同様に)聖なる行いである」と主張し、「難民や国内避難民を受け入れる地方共同体、宗教共同体に対する感謝」を述べた。

この後、正教会のコンスタンティノープル(現トルコ・イスタンブール)・エキュメニカル総主教であるバルトロメオ一世が基調講演。ローマ教皇フランシスコが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が残した教訓として、回勅『すべての兄弟たち』の中で「誰も一人では救われない」という事実を示したことを引用し、「現代世界が直面している脅威(気候変動や難民問題など)は、協力によってのみ対処、克服できる」と指摘した。また、「この分野において、諸宗教の対話と共同が本質的で活性的な役割を果たす」と呼びかけた。