『ローマ教皇がCOP28への参加を断念』など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

ローマ教皇がCOP28への参加を断念

ローマ教皇フランシスコはこのところ、呼吸器感染症からくる呼吸困難を訴え、一部の業務を延期、中止していた。11月25日にはローマ市内のカトリック総合病院「ジェメッリ」に赴き、検診を受けたが、肺炎の可能性は否定された。

教皇は若い頃、肺の一部を摘出する手術を受けており、その疾患が原因で憧れていた日本での布教を諦めたこともあった。バチカン報道官のマテオ・ブルーニ氏は、「教皇の健康状態は抗生物質を使っての治療によって回復しつつある」と公表し、教皇自身も「COP28(第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議)参加のためにドバイに行く」との意向を表明していたが、ブルーニ氏は28日、「医師団が教皇にドバイ訪問を断念するようにと要請し、教皇は強い遺憾の意を表明しながらも、医師たちからの要請を受け入れた」と明らかにした。

ローマ教皇のCOP会議への参加は、同会議史上、初めての出来事となる予定だったが、実現しないことになった。

現教皇は2021年にも、スコットランドのグラスゴーで開催されたCOP26に参加予定で、そのための準備が進められていたが、直前に教皇の健康状態(結腸手術後)を理由に中止された経緯があった。教皇は29日、バチカンでの一般謁見(えっけん)を執り行ったが、「体調があまり良くない。声がよく出ない」と発言し、用意したスピーチを代読させた。

さらに、教皇は30日、バチカンで「健康管理における倫理」をテーマとする会議の参加者たちと謁見。「ご覧のように、私はいまだ、生きています」と冗談を言いながら、医師団が教皇のドバイ行きに反対した理由について、「ドバイの気候は暑く、空調が利用されているものの、暑い環境から空調の効いた場所へ移動することは、呼吸器感染症を悪化させる」ことと説明した。教皇は、「肺炎でなかったことを神に感謝する」と述べ、「熱はなく、抗生物質による治療を続けている」と明かした。

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