第59回佼成雅楽会公演 4年ぶりに開催

四人の女性が舞う「延喜楽」。優美な音色に合わせ、しなやかながら勇壮な舞が披露された

龍の声を模したといわれる、高く澄んだ笛の音が響くと、会場のざわめきがスッと消える――。「第59回佼成雅楽会公演」(主催・立正佼成会教務部儀式行事グループ)が12月3日、法輪閣大ホール(東京・杉並区)を会場に4年ぶりに開催された。会員、市民ら約150人が来場した。

佼成雅楽会は昭和25年、本会の式典に仏の徳を讃(たた)える荘厳な音楽を取り入れたいとの庭野日敬開祖の願いから発足。大聖堂での式典はもちろん、神社・仏閣などでの対外演奏、学生を対象とした雅楽教室、海外公演なども数多く行ってきた。

コロナ禍を経て4年ぶりの開催となった今回は、合奏や舞をより間近で見られるよう、舞台の左右に設置してきた大太鼓は置かず、その分のスペースを生かして中央の舞台を客席にせり出すように設(しつら)え、臨場感のある会場作りがなされた。

前半の部では、管楽器(笙=しょう・篳篥=ひちりき・龍笛=りゅうてき)と絃楽器(箏=こと・琵琶)、打楽器(鞨鼓=かっこ・太鼓・鉦鼓=しょうこ)で合奏を行う「管絃」として「老君子」「陪臚(ばいろ)」など4曲を演奏。後半の部では、雅楽器の伴奏で踊り手が舞う「舞楽」として、慶事の時には必ず舞われる四人舞の「萬歳楽(まんざいらく)」と、その対で舞われる番舞(つがいまい)の「延喜楽(えんぎらく)」の2曲が披露された。

今回の公演では、佼成雅楽会で現在講師を務める宮内庁式部職楽部楽師の多忠純氏、小山貴紀氏、平川幸宗氏が賛助出演した。