本会東京中央支教区 首都直下型地震に備えて1000人で防災訓練

参加者はさまざまな体験を通して防災意識を高めた。写真は、煙の怖さを体験する火災疑似体験

立正佼成会東京中央支教区主催「防災訓練ならびにサンガのつどい――地域共助の縁づくりをめざして」が、5月7日、本会本部(東京・杉並区)法輪閣駐車場で行われ、同支教区の会員1000人が参加した。

同支教区6教会(渋谷、新宿、豊島、文京、千代田中央、港)が包括する区域は、東京の経済や行政の中心地に当たるが、区域外への人口流出が続いてきた。佼成会会員も例外ではなく、現在、会員の半数以上が包括区域外に在住する。

こうした現状を踏まえ、同支教区では、発生の可能性が指摘されている首都直下型地震に備え、教会の枠を超えて自宅周辺の人同士がつながりを深めるネットワークづくりのため、この日のつどいを企画。東京消防庁杉並消防署の協力を得て、防災訓練を実施した。

当日、参加者たちは、同署の本多博署長から、首都直下型地震の切迫性や震災が起きた際に公的な援助が来るまで自らを守る「自助」、地域住民で助け合う「共助」の取り組みについて学習。この後、郵便番号を基にした108のグループに分かれ、防災訓練に臨んだ。

消防署職員からAEDの使用方法などの指導を受けた

起震車で震度7の揺れを体験したのをはじめ、煙を充満させたテント内からの避難、初期消火訓練に当たり、自動体外式除細動器(AED)の使用方法などを学ぶ中で、防災意識を高めた。また、当日初めて顔を合わせる会員も多いことから、各自が住所や電話番号、地域の避難場所が書かれた名刺を持参。グループ内で交換し、万が一に備えるきっかけとした。

江東区に在住する会員(55)は、つどいの感想をこう語る。「自宅の近くに、10人も会員さんがいたことに驚きました。家族構成なども聞くことができましたので、災害時には助け合えると思います」。教会を超えての出会いを通し、参加者からは、「近所に佼成会のサンガ(教えの仲間)がいることが分かり、とても心強く思った」との声が多く聞かれた。

訓練後、あいさつに立った出射優行支教区長は、震災に備えるためには普段から“向こう三軒両隣”の関係を築くことが大切と述べた。「今日、同じ地域に住む会員同士が顔見知りになれたことを通して、“自助から共助”の意識を深め、参加者一人ひとりが観音さまのような関わり方で、地域住民の助けになって頂きたいと思います」と語った。