アズハルとイスラーム長老評議会共催の国際会議 ローマ教皇はじめ宗教指導者、政治指導者ら300人が参加 本会から川端理事長が出席

アズハルのタイエブ総長(左)に庭野日鑛会長からの親書を手渡す川端理事長

4月27、28の両日、エジプト・カイロにあるイスラーム・スンニ派最高権威機関アズハルの同大学で「平和のための国際会議」が行われた。ローマ教皇フランシスコやアズハルのアハメド・タイエブ総長をはじめ世界の諸宗教指導者、研究者、政治指導者など約300人が参加した。立正佼成会から庭野日鑛会長の名代として川端健之理事長が出席した。

昨年5月、タイエブ師がバチカンを訪れ、教皇と懇談した際、今回の会議の開催が合意された。アズハルとイスラーム長老評議会(本部・アラブ首長国連邦アブダビ)が共催した。

同会議は、紛争が続く中東情勢や、宗教の名を借りた過激派によるテロ事件がエジプトなどで相次ぐ状況を踏まえ、諸宗教対話を通じた平和構築、寛容と和解の精神の促進を図ることが目的。『聖典の歪曲(わいきょく)した解釈』『宗教における平和の文化』などをテーマに議論され、暴力を生み出す温床となっている貧困や紛争、搾取といった問題の解決に向けた宗教者の役割や諸宗教対話の必要性について意見が交わされた。

28日、同大学の会議センターでは、タイエブ師の基調講演に続き、教皇がスピーチに立った。この中で、教皇は、「宗教の名のもと、神の名のもとに、いかなる暴力も、復讐も、憎悪も正当化されることがないよう、強くはっきりとした『ノー』を繰り返しましょう」と語り、諸宗教対話を基盤とする結束を呼びかけた。

川端理事長は、今回のカイロ訪問に触れ、「暴力と憎悪の連鎖を断ち切るため、イスラームとキリスト教が互いに手を携え、行動したことに、神仏の深いはからいを感じました。差別や疎外感に苦しむ人々の支えとなり、力となれるよう、諸宗教対話の促進に取り組んでいきたい」と振り返った。